ロンドン2日目の夜

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SPRUでの打ち合わせの後、夕方からは、スペインで一緒だったK氏とI氏(阪大)とともに、K氏の大学時代の同級生(ということは小生の遠い後輩)で、LSE(London School of Economics and Political Science)で社会人類学を学んでるKさんと、その友達のNくん(奇遇にも共同研究者のS氏の元指導学生だそうだ)とともに、LSE近くの印度料理屋でカレーを食べてきた。
K氏たちはもっと遅くにロンドン入りするものと思っていたので、当初は、昨日予告したFood for Thoughtで食べてから芝居でも見に行こうかと考えていたのだが、急遽予定変更。肉も食べたが野菜もたっぷりだったので、気分は良好。食後は、ホルボーン駅近くのパブPrincess LouiseでAleを飲みながらおしゃべり。LSEはコヴェントガーデンからも近いし、学生も世界各国から来ているそうで楽しそう。サバティカルで、SPRUで客員研究員をすることも考えてるのだが、LSEもいいかもしれない。(受け入れてもらえればの話だが。)


帰りがけ、ホルボーン駅のPiccadilly Lineのホームの手前で、”I AM HUNGRY”と書かれた紙をもって、ワンコと一緒に座り込んでるホームレスのお兄ちゃんがいた。「犬は釣りか?」なんて考えも浮かんだのだが、頼り切るようにお兄ちゃんのひざにうなだれてるワンコの姿が目に焼き付いてしまい、ホームから急遽引き返し、ちょうどポケットに入ってた5ポンド札を差し出した。”For your dog”と付け加えて。俺は動物には弱いのよ。あのワンコ、兄ちゃんと一緒に何か食べただろうか。
弱点と言えば、「マイノリティの子ども」というのも、そうだ。いかにも移民系の家族が小さな子どもを連れていたりして、たまたま目が合ったりすると、ついたっぷりの笑顔を返したくなる。「両親以外にも、君は世界に歓迎されてるんだよ」と、せいいっぱい伝えたくなるのだ。スペインでは、マドリッドからセビリアに向かう車中で小生の席の横を通り過ぎていったジプシーっぽい家族がいて、2歳か3歳くらいのカワイイ女の子と目が合った。またロンドンに向かって出発する前、マドリッドの空港の荷物検査の列で前に並んでいた北アフリカ系の家族。みんなで飛行機に乗るくらいだから、それなりに収入があるのかもしれないけど、父親に抱かれた2歳くらいの女の子の未来が気にかかった。傲慢な思い入れなのかもしれないけど、どうか、君の優しそうなお父さんのような人と、経済的に豊かでなくても幸せになれるといいね、と祈りたくなった。
日本にも差別や格差はあるが、ヨーロッパやアメリカは、肌の色や顔つきで、余計にはっきりpreviledgedな人たちとそうでない人たちの違いが際立つ。特に一人で町を歩く時は、それがたまらなく切なく目に映る。

 

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