大地震の翌朝未明にリンク集を作って以来、2か月ちょっとぶりの更新です。
その間、たくさん考えることがあり、またその一端をメディアで話させていただく機会もいくつかありました。
たとえばこんなところ。
- 3月30日 ニコ生シノドス・大震災スペシャル「ニセ情報に気をつけろ! 生き残るための情報戦略」 平川秀幸、八代嘉美、飯田泰之、荻上チキ
- トゥギャッターでのまとめ: http://togetter.com/li/117912
- 4月16日 マル激トーク・オン・ディマンド 第522回 なぜ「専門家」は信用できないのか -平川秀幸、宮台真司、神保哲生
- 平川秀幸「三・一一以降の科学技術ガバナンスに向けて――過去を通じての未来へ」、『現代思想 2011年5月号』(特集=東日本大震災 危機を生きる思想)
そして昨日から公開になったのが、こちら。Synodos代表の芹沢一也さんによるインタヴュー記事。
- 「科学だけでは答えを出せない問題」に、普通の人はどうすればいい?――『科学は誰のものか―社会の側から問い直す』の平川秀幸・大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授に聞く(日経ビジネスオンライン 「脱・幼稚者で行こう!」)
ちなみにこの記事のショート版はすでに、地震直後、3月15日発売の『日経ビジネス・アソシエ』04/05号の芹沢さん担当のコーナー、インテリブリッジに「『科学』 に素人が口出ししてもいいですか?」というタイトルで掲載されています。
そのことからもわかるとおり、インタヴュー収録自体は地震前(2月中旬)に行われたもので、地震直後に掲載されたショート版は、地震前にまとめられた原稿をそのまま出したもの。そして昨日公開の日経ビジネスオンライン版のは、地震を踏まえて、2/3くらいを大幅に修正・加筆したものになっています。
ちなみに、ためしに”「科学だけでは答えを出せない問題」”をキーワードにGoogleリアルタイム検索したり、Topsyで検索したりしてみると、けっこう好評の様子。この大震災、とくに原発問題について、こういう内容のものを求めてた人が案外たくさんいるんだなぁと思ったり。
実際、文章そのものはもう9年前のものなのだけど、この間、たくさん読まれてる本サイトの記事に
- 「リスクをめぐる専門家たちの”神話”」(2002.10.14)
というのがある。
こちらもまた、そういう切り口を求めてた人たち、リスクについて科学的・工学的なのとは異質な語り方があるのを直感しつつも、うまく言葉に固められてなかった人たち、ちまたにあふれる「おまえら科学を知らないから不安になりすぎてるんだ」的な物言いに辟易してた人たちとか、けっこうたくさんの人々に読まれているようだ。
あと、原子力の話に直結したものでは、こちらもけっこう読まれてます。
- 「ある村の長老の世迷言」(2005年5月21日)
どちらの記事も「これ9(6年)年前、何も今と変わってない」「今起きてることそのままだ」と驚かされる人も多いようです。いずれにせよ、読まれたみなさんが、ご自身とこの日本に起きていることを理解する一助にしていただければ幸いです。
もし、日経の記事から本ブログをググって発見して来られた方は、「お土産」として、これらもぜひお読みいただければ。
あともう一つ。これは今週水曜に北大の高等教育機能開発総合センター科学技術コミュニケーション教育研究部(CoSTEP)の授業にお呼ばれしてしゃべった時のパワポ。
- 科学技術コミュニケーション概論 第1回 科学技術は誰のものか/ポスト311の科学技術コミュニケーション
それと、311前後、自分が関わったtogetterまとめもいくつか。(時間逆順で、一番下だけが311の3日前から2日前のもの。今読み返すと感慨深いかも? あと、@sunaohさん、@enodonさん、@yunishioさん、まとめありがとうございます。)
- トランスサイエンス・ポストノーマルサイエンス/「科学だけでは答えを出せない問題」にどう取り組むか/「公共的決定の主体の覚悟と責任」(2011/5/20)
- 日本人の私民化について (2011/5/9)
- リスク評価・リスク管理における社会経済的視点の重要性(2011/5/1)
- 一回「歩みを止め」て考え直そうよ、34学会(44万会員)会長声明(2011/5/1)
- 「正しく怖がるということ、科学/メディアリテラシー」を巡るやり取り(2011/4/9)
- 科学技術コミュニケーションとは- @hirakawah と @gnsi_ismr の対話(2011/3/9)
以上、いずれも質問やご意見などありましたら、本記事のコメント欄、メールやツイッター(@hirakawah)で遠慮なくどうぞ。