やっぱりやってた?―米国の肉骨粉輸出

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すでに真名さん@Speak Easy、まりちゃんさん@BSE&食と感染症 つぶやきブログが書いてますが、アメリカは、かつての英国と同様に、自国では牛飼料用に禁止してる牛の肉骨粉を、規制のない国に売っているらしい。

Speak Easy
 アメリカは牛肉骨粉を海外に売りさばいている?
 米国肉骨粉輸出振興 続報
BSE&食と感染症 つぶやきブログ
 アメリカは牛のSRM入り肉骨粉を海外に輸出?

元ネタはこちら。

衆院農林水産委員会アメリカBSE問題調査団報告(高橋千鶴子衆議院議員)
・・・私は、同席していた農務省のバトラー次官補に質問。農務省でも聞いたが、余った肉骨粉の処分はどうしている?との問いに、ここでもペットフードにしているとしか答えません。鶏豚にも、ペットフードにも使ったとしても、あまりにも余る。処分するには必ず肉骨粉にしなければならないのに、これまで牛にやっていた分、どうしているのか、と繰り返し聞いたところ、「規制のない国へ行くことはある」と、はじめて認めました。私は、後日さらに詳しい数字や内訳を示すよう、求めました。・・・(強調引用者)


BSE&食と感染症 つぶやきブログさんとこのエントリー「米国調査団報告&OIE小澤義博氏の広告&米科学アカデミーが政府対策批判」にリンクがあって、読んでいたら発見。さもありなんだから、驚きというよりはうんざり感がどっしり。
あともう一つ。先日の米国食肉輸出連合会の全面広告で、小澤義博氏(国際獣疫事務局(OIE)名誉顧問)が言ってた「『たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全である』ということがはっきり示されました」という主張に逆らう、プリオン病専門家の発言。
その全面広告に関するエントリーのコメントにまりちゃんさんが引用してますが、昨年9月3日に札幌で開かれた厚労省・農水省共催の意見交換会での堀内基広氏(北海道大学大学院獣医研究科プリオン病学講座教授)の発言です。(強調引用者)

しかし、問題点もまだありまして、本当に完全に除くことが可能かということです。 我々の体は、プラモデルのように組み合わせてできているわけではなく、非常に入り組んで弾力性のある組織からできています。そういうところから、こういうものだけをきれいに100%除くこと、周りを傷つけないで除くことが可能かという問題があります。解体時に、特定部位が枝肉などを汚染する可能性ももちろん否定できません。日本では、ピッシングと言いまして、スタンガンで牛を気絶させるのですが、その後、作業に従事する方の安全性を確保するためにピッシングという方法で脊髄を破壊する方法をとっているところがまだ大部分です。ただ、そういうことをすることによって脳組織を傷つけてしまうので、それが周りを汚染する可能性もあるのではないか。 もう一つ問題になるのは、まだ完全には解明されていない病気なので、まだ確認されていない部位にもプリオンがいるのではないか。例えば、つい最近、量は少ないのですが、羊の筋肉にプリオンがいるという報告が幾つか出ていました。つまり、牛の場合には筋肉はまだ入っていませんが、牛の筋肉に本当にプリオンがゼロと言えるかどうか。ほんの少しいたとしても、全体で見ると筋肉はかなりの重量になりますから、トータルで見るとそこそこのプリオンがいるかもしれない。ここら辺は、まだ科学が解明し切れていない部分ですが、こういう問題も考えなければいけません。特定部位というのが本当にここだけでいいのかということです。 ただ、現時点では、科学的にまだ完全に解明されていな部分が多い病気であるけれども、安全性を確保するために、現時点でわかっている範囲で最大限の対策をとっていかなければいけません。その中でBSEの検査と特定部位の除去ということがどういう機能しているか、役割を果たしているかについて簡単にお話ししたいと思います。・・・・・
・・・・・BSEというのはまだわかっていない部分が多い。例えば、本当に筋肉に病原体がないのか、おしっこに出てこないのか、血液中にないのか、まだ統一的な見解を得られるだけの科学的な情報がありません。そういう観点からすると、感染牛のいかなる組織も食物連鎖に入れないことが安全性を確保する一つの手段であります。

 

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9件のコメント

  1. 小澤氏は全面広告の発言に根拠を示す義務あり

    また寄り道になってしまいますが、全面広告関係をまた。
    広告本文は、解釈とか見解の相違もあるのかなという感じです。 しかし、一つ、理解しがたい発言がありました。
    ▼小澤今年の総会では、「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べてもー…

  2. 米国肉骨粉輸出振興 続報

    National Renderers Association(NRA)は、2005年度に、米国産の農・畜・水産物「輸出振興宣伝助成金」の割当てを395,099ドル受けたことは報告しました。 続報です。NRA傘下の企業は、油脂、肉骨粉を主力製品としています。 2003年には、この業界が2…

  3. 衆院:農水委員会のBSE質疑で油脂・血液飼料の問題指摘&食安委内紛

    本日の衆議院農水委員会の質疑がありました。かなり興味深い内容です。
    質疑の中継ビデオは、下記の検索で
    平成17年7月27日 農林水産委員会 を指定して、
    「検索」ボタンを押すと出てきます。
    http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm?ex=VL
    私が印象的に感じた内容、…

  4. 今日のBSE全面広告はこう読め

    久しぶりに米国食肉輸出連合会が全面広告を打ちましたね。ということで、バイオに詳しくない方に僕が解説をしておきます(笑)。以下、ブロック内の記述は全て引用です。出典は2005年7月19日付け朝日新聞23面です。なお、引用だけでは主旨が把握しにくい場合、こちらで注…

  5. 今日のBSE全面広告はこう読め

    久しぶりに米国食肉輸出連合会が全面広告を打ちましたね。ということで、バイオに詳しくない方に僕が解説をしておきます(笑)。以下、ブロック内の記述は全て引用です。出典は2005年7月19日付け朝日新聞23面です。なお、引用だけでは主旨が把握しにくい場合、こちらで注…

  6. 鹿肉骨粉は飼料に入っているか?

    今はどうなっているんでしょうね。輸出用に入っていないのでしょうか??

  7. 【内外無差別は?】米国牛トレーサビリティーを、ふただ(ニ田)議員が否決するといっている件

    ■【内外無差別】米国牛トレーサビリティーをふただ(ニ田)議員が否決するといっている件
    米国牛輸入については、「内外無差別」が前提で、例の怪しい月齢区切り論争が勃発したようですが、「内外無差別」というならば、当然「飼料」や「SRM除去」「トレーサビリティー。…

  8. 農水省からの回答:新聞の小澤義博氏のコメントは事実ではない

    ■7月19日の米国食肉輸出連合会の全面広告
    http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/958a113072a041131ff4ef54a50d891c
    に紹介した、朝日・毎日・読売・東京新聞の、ページ全面に大きく掲載されたという、米国食肉輸出連合会の小澤義博氏のコメントについて、農水省のセ…

  9. 危険部位の完全除去が無理な理由「スタンニング」&米国牛:シカのプリオン病評価は?

    ■危険部位の完全除去が無理な理由→スタニングによる内部からの肉の汚染
    農水省からの回答:新聞の小澤義博氏のコメントは事実ではない
    http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/1e5d80abffdda8a01939e2ab7e9e8d02
    でも紹介しました、危険部位の「完全除去」ができるわけ…

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