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米国食肉輸出連合会の全面広告―スポンサーは米農務省

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久々にBSEネタ。
19日の朝日、読売、毎日など全国紙に、米国食肉輸出連合会が米国牛肉輸入再開アピールのための全面広告を打っている。三大紙だけに出したとしても、ざっと広告費は1億2000万くらい?さすが、米農務省から1200万ドル(約13億円)も販促広告費をもらってるだけあって、太っ腹。(参照: 米農務省 JOHANNS ANNOUNCES $141 MILLION TO PROMOTE U.S. FOOD AND AGRICULTURAL PRODUCTS OVERSEAS; New York Times. "For Months, Agriculture Department Delayed Announcing Result of Mad Cow Test"; 暗いニュースリンク「アメリカ農務省の狂牛病対策(未対策)最新事情」

で、その中身はというと、案の定トンデモ。国際獣疫事務局(OIE)名誉顧問の小澤義博氏と、元「ママとあそぼうピンポンパン」のお姉さんだった酒井ゆきえさんとの対談になってるんだけど、二人ともどこの国の人?と思うくらい売○的な内容。(広告効果としては、アメリカ人じゃなく、日本人に喋らせるってのがポイントなんだろうな。)

ツッコミたいところはたくさんあるのだけど、そのなかからいくつか。(強調引用者)

酒井: BSEに関する国際的な安全基準を定めているOIEとはどんな組織ですか。
小澤: OIEは、動物衛生の安全基準を決める唯一の国際機関で、現在まで167カ国が加盟しています。各国から専門家を集めて検討し、科学的な根拠に基づいて基準を決定しています。BSE問題のように、各国の衛生基準が貿易に影響を及ぼす場合、世界貿易機関(WTO)がその基準で妥当性を判断します。

OIE自体も、WTOでの貿易紛争解決における参照基準ということで、かなり貿易利益を意識した線引き――つまり輸出国に「優しい」基準作成――をしていると思うんだけど。それと、「各国の衛生基準が貿易に影響を及ぼす場合」って、まぁWTOの使命は貿易を守ることだからしょうがないともいえるんだけど、衛生基準よりも貿易利益(=基本的には輸出国利益)を優先する姿勢って、どうよ?

酒井: 今年の総会では、どのようなことが話されましたか。
小澤: 今年の総会では、「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全である」ということがはっきり示されました
酒井: きちんと特定危険部位は除去することがもっとも重要な安全対策ということですね。
小澤: ヨーロッパでも、最初のころよりも、この10年間で技術も向上し、完全に取り除くことが可能になりました。さらに欧米では、そのチェックシステムが徹底しています。ヨーロッパでは、加工処理場にEUと各国の検査官が、アメリカでは、政府の検査官がチェックするシステムができあがっています

これはツッコミどころ満載です。

まず「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全である」といってるけど、危険部位以外の部分の末梢神経からも異常プリオンが検出されたという日本の研究者による報告があることは考慮に入れてるのだろうか。もちろんその量は、危険部位と比べればずっとずっと少ないだろうけど、果たしてそれは「安全」と言い切ることができるレベルなんだろうか?「安全」と言い切れるためには、その量が、一生食べ続けても発症レベル(閾値)に達しないレベルでなければいけないわけだけど、果たしてそれは確証された科学的事実なんだろうか?たとえば、昨年9月に食品安全委員会が発表した「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について: 中間とりまとめ」の8ページには、こんなふうに書かれているんだけど。

「さらに、人についての感染量と発症の相関関係、特に、人への発症最少量、反復投与による蓄積効果などについても未だ明らかとなっていない。」

また、仮にこの問題がクリアされたとしても、そもそも危険部位が「きちんと」除去されているのかというのが、米国牛では大問題なんじゃないのか?「アメリカでは、政府の検査官がチェックするシステムができあがっています」なんていってるけど、そのシステムがちゃんと機能してないんじゃないかという懸念を裏付ける話は、あまたの新聞報道などで報じられている。それらはすべてウソで、懸念はただの杞憂だとでも言うのだろうか?(だいたい、食肉業界関係者が要職を占める米農務省が、当の業界を適切にコントロールできるなんて話は、疑うことを知らない無垢な子供以外には、そう簡単には信じられないんだが。)もちろん、それらがウソであることにこしたことはないのだけれど。

ほかにも、血液はどうなのよ?とか、いろいろ疑問が沸いてくるぞ。

酒井: 生鮮食品を冷蔵庫に入れないと変質や腐敗してしまい、知らないで食べるとおなかが痛くなるなど、どの食品にもそれなりのリスクが存在しています。そして、多くの消費者がそのリスクを知った上で、食べることを選択しています。そのような状況でなぜBSEに関して日本の消費者はこんなに不安を抱いているのでしょうか。
小澤: BSEは、比較的最近発見された複雑な病気なので、BSE対策について正しい情報が消費者にまだ十分伝わっていません。世界基準の適切な対策によって世界的にBSEが次第に抑制されつつあることがわかれば、不安は小さくなるのではないでしょうか。

これもヒドイ。

まず、酒井さん、「生鮮食品を冷蔵庫に入れないと変質や腐敗してしまい、知らないで食べるとおなかが痛くなるなど、どの食品にもそれなりのリスクが存在しています」なんていってるけど、vCJDに感染したら、おなかが痛くなるどころでは済まないんだけど、そういうリスクの「質」の違いは無視しちゃっていいわけ?また、「食べることを選択しています」といってるが、「選択」というからには、当然「食べない」という選択も自由にできないといけない。だけども、これだけ不正表示のはびこるご時世に、「選択」なんてできるんだろうか?また、牛は、精肉としてだけでなく、インスタント食品などのエキスとしても使われるから、それはもはや選択なんかできやしない。学校給食や外食の場合も、一人一人の選択の自由の埒外にある。そんな状況で「選択」なんて言葉を使うのはペテンでしかない。

それから小澤さん、「BSE対策について正しい情報」なんていってるけど、「アメリカのBSE対策について正しい情報」ってのは、いったいどんな情報なんでしょうかね?食品安全委員会でも、そのあたり情報不足、資料不足で難儀しているというのに、小澤さんは「真実」を知っているとでもいうのだろうか?「世界基準の適切な対策によって世界的にBSEが次第に抑制されつつある」というのは、果たしてアメリカにもあてはまることなんだろうか?文脈からすると「あてはまる」といいたいのだろうけど、そこが今一番問われてるわけで、散々報じられているあまたの疑惑に対する十分な反証もなしに鵜呑みにするのは馬鹿げている。

そして最後にこのせりふ。

OIEの安全基準を遵守する事がBSE対策の最大の方策なのではないでしょうか。

以下の記事(とくに後半部分)を読むと、アメリカは、OIEの基準すらクリアできてないらしいんだけど、その点に関して、国際獣疫事務局(OIE)名誉顧問として小澤氏はどう考えておられるのだろうか。

農業情報研究所: プリオン専門調査会 米加産牛肉輸入再開問題で実質審議へ

あと、こんなのも。

BSEなどのまん延防止へ新機関創設提言・米科学アカデミー(日経)
米大統領に科学政策に関する提言などを行う全米科学アカデミーは18日、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザなど動物由来の病気が人間の健康を脅かすリスクが高まっているのに、米政府の対応が不十分だと警告した。病気のまん延防止策などを省庁横断的に立案・監督する新組織の創設を呼びかけている。
農業情報研究所: 米国科学アカデミー 米国動物・公衆衛生システムの病気発見・診断能力に欠陥の報告
報告書本体: Animal Health at the Crossroads: Preventing, Detecting, and Diagnosing Animal Diseases

こういう、政府とは独立に骨太の科学的助言をできる機関が存在し、「知」も含めた権力の分散によるチェック・アンド・バランスが機能しているというのは、(政府のトップは)腐ってても、さすがにアメリカといったかんじ。日本のカウンターパートである日本学術会議が、同様の機能を担うだけの実力(と気概?)をもてるようになるのは、いったいいつの日のことだろう。

なお、上記の農業情報研究所記事の末尾には、全面広告での小澤氏の発言について、次のように付記されている。(強調引用者)

ついでながら、小沢氏は、「今年の[OIE]総会では、「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全である」ということがはっきり示されました」と言っているが、OIE基準のどこにもそんなことは書かれていない。BSEステータスと無関係に貿易できるとされた「脱骨骨格筋」でさえ、「BSEと疑われなかったか、確認されなかった」(30ヵ月以下の)牛由来のものでなければならないとされれいる。発見・診断能力の限界のために「BSEと疑われなかったか、確認されなかった」感染牛がいくらでも混じる可能性はあるが、これは「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全である」と認めたということではまったくない。彼の言うことをまともに信じてはならない

アメリカの場合、「BSEと疑われなかったか、確認されなかった」じゃなく、「BSEと疑わなかったか、確認しなかった」である疑惑が超濃厚だもんなぁ。。(このまえの2例目のBSE感染牛がまさに「確認しなかった」牛だったわけだし。)

その他、この件に関するツッコミ&情報は、笹山登生さんの掲 示 板をどうぞ。 あとこちらも。

スター・ウォーズ エピソード3をもう4回観た社長のブログ
今日のBSE全面広告はこう読め(2005年07月19日)
・・・結局のところ、「科学的であることが必要」と論じながら、あちこちで非科学的な論理展開を繰り広げている電波広告です。要注意(^^;

それにしてもアチラは、13億円もの政府資金をバックにした情報戦。そのうち、こんなデンパな内容を公共の電波を使って垂れ流してくるかもしれない。

対してこちらは、政府はすっかり対米ケツなめ外交で、こういうブログや2ちゃんあたりでしかツッコミ入れる術はない状態。日本も農協あたりが対抗広告打ったりすると面白いんだけどなぁ。。(がんがれJA!)

<追記>
さっき見に行ったら、農業情報研究所に下記の新しい記事がアップされていた。著者の北林さん、相当にお怒りのようです。

農業情報研究所: デマゴギーで米国産牛肉輸入再開を促す新聞広告 小沢氏は「金メダル」を返上すべきだ
・・・これらは事実を大きく曲げた情報だ。これほどの権威が正確な事実を知らないはずはないから、これは”デマゴギー”で米国産牛肉輸入再開に対する消費者の不安を取り払おうとする”犯罪行為”とさえ言えるものだ。

ちなみに、そこでも参照されているOIEの2005年度基準はこちら。

2005 Terrestrial Animal Health Code: BSE

<追記>
BSE&食と感染症 つぶやきブログさんの7月30日の記事「農水省からの回答:新聞の小澤義博氏のコメントは事実ではない」によると、農水省の消費者の部屋に、「たとえBSEに感染していたとしても、特定危険部位以外の部位は、食べても安全であるということがはっきり示されました」という小澤氏の発言について問い合わせたところ、下記のような回答があったそうです。

今年のOIE総会において議論されたBSEに係るOIE基準(コード)の改正内容についてはOIEのホームページでご確認いただけるとおり(別添)です。お問い合わせの広告における小澤氏の発言の真意については当省では量りかねますが、そのような内容をOIEが見解として発表したという事実は確認できません。

ウソはいけませんね、ウソは。

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■アメリカBSE問題調査団報告 高橋千鶴子議員のHPに、先日の衆院農林水産委員会の米国調査団報告書がUPされておりましたので、ご紹介。。 衆院農林水産委員会アメリカBSE問題調査団報告 http://www.chiduko.gr.jp/act/2005/kiji/0506/050621.html ■7月19日のハ... 続きを読む

2005年7月19日の全面広告で思い出したので、もう一言! そもそもこの米国食肉 続きを読む

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今日は寒かったですが、朝早めに出て、少し遠出して来ました。 続きを読む

コメント(4)

 大変興味深く拝見しました(面白がってはいけないのですが・・・)。
 吉ギューが生活の一部だった宗像ですが、正直、牛肉なくてもあんまり困りません。リスク・ベネフィット論にも問題があるのに、リスク・ベネフィット論すら踏んでいないというのがなんとも・・・。
 BSEのチェック・管理体制の話もわかるんですけど、恐らくプリオンの科学的不確実性の議論は、チェックをどんなに厳しくしても残るでしょうね。むしろ生産体制を根本的に変えられるかどうか、そこにかかっているのですけど、なかなかわかってもらえなさそうですね。
 WTOは、明らかにこの件を輸出サイドで解釈するでしょう。彼らの存在意義がそこにありますから。
 先日読んだB.L.Campbellという学者の論文に、「科学的不確実性は、科学以外のイシューが論争に導入される契機となる。論争の戦略的拠点となる。」とありましたが、BSEも正にその様相を呈していますね。

宗像さん、こんばんは。

>リスク・ベネフィット論すら踏んでいないというのがなんとも・・・。

おっしゃるとおりですねー。牛食べなくても消費者としては全然困らないわけですし、リスク・ベネフィット論は全然成り立ちませんね。

まぁ、成り立つとすれば安い米牛肉に頼ってきた外食産業でしょうか。その場合の「リスク」は、万が一日本でvCJD感染者が発生した場合の責任問題ですが、まぁ、どこで食べたやつがアウトだったのかは、発祥してからでは時間がたちすぎてわかんないでしょうから、リスクはゼロなのでしょうね。まぁ、いずれアメリカでもっとBSEが見つかって再び輸入禁止になったとき、またまた一蓮托生という経営リスクは無視できないと思いますが。

>恐らくプリオンの科学的不確実性の議論は、チェックをどんなに厳しくしても残るでしょうね。むしろ生産体制を根本的に変えられるかどうか、そこにかかっているのですけど、なかなかわかってもらえなさそうですね。

そうそう、そこがポイントだと思います。飼料規制の徹底を初めとして、生産体制を根本からBSEフリーにしないと、この問題は解決にはならないですね。それができなければ、ちょっと管理体制がゆるめば、すぐに感染が広がる可能性が残るわけですから。

まぁ、もっと根本的なことをいえば、過剰な牛食自体の環境・社会負荷とい問題もありますし、あるいはEUが長年、米国牛輸入禁止の理由にしている成長ホルモン剤の問題も気になるところです。

そういえば不確実性については、昔読んだ『メス化する自然―環境ホルモン汚染の恐怖』に、「不確実性のカードをもてあそぶ」という表現がありました。BSEしかり、温暖化問題しかりですね。

あともう一つ、これまでも何度かこのブログに書いてきましたが、この米国牛肉問題でどうしても懸念せざるを得ないのは、疑惑が十分にはらされないままなし崩しに輸入再開が「政治決定」されちゃうことの問題ですね。そんなことしたら、「リスクコミュニケーション」なんてまったく意味がなくなるくらい、食品行政に対する国民の信頼が崩れてしまいそうです。(まぁ、すでに相当下がっているのでしょうけど。)NGOとかとの関係も原子力問題並になっちゃうかもしれませんね。

まぁ、大半の日本人は「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」で、数年もすれば忘れちゃうのかもしれませんが。あるいは、行政の失策には慣れすぎちゃってて、「今更」な問題として片付けられちゃうのかもしれません。(いずれにしても、日本の政治は改善されない。)

>「安全」と言い切れるためには、その量が、一生食べ続けても発症レベル(閾値)に達しないレベルでなければいけないわけだけど、

平川先生、おはようございます。プリオン病はこの「一生食べ続けても発症レベルに達しない」ほかにも、「感染潜伏中に他者に、医療行為や公衆衛生上問題のある行為によって感染させない」ということが必要です。

あと、SRM除去が完全に出来るか否かについては堀内基広先生のこれをぜひ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
札幌でのBSE意見交換会から
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/txt/040903-1.txt
 しかし、問題点もまだありまして、本当に完全に除くことが可能かということです。 我々の体は、プラモデルのように組み合わせてできているわけではなく、非常に入り組んで弾力性のある組織からできています。そういうところから、こういうものだけをきれいに100%除くこと、周りを傷つけないで除くことが可能かという問題があります。解体時に、特定部位が枝肉などを汚染する可能性ももちろん否定できません。日本では、ピッシングと言いまして、スタンガンで牛を気絶させるのですが、その後、作業に従事する方の安全性を確保するためにピッシングという方法で脊髄を破壊する方法をとっているところがまだ大部分です。ただ、そういうことをすることによって脳組織を傷つけてしまうので、それが周りを汚染する可能性もあるのではないか。 もう一つ問題になるのは、まだ完全には解明されていない病気なので、まだ確認されていない部位にもプリオンがいるのではないか。例えば、つい最近、量は少ないのですが、羊の筋肉にプリオンがいるという報告が幾つか出ていました。つまり、牛の場合には筋肉はまだ入っていませんが、牛の筋肉に本当にプリオンがゼロと言えるかどうか。ほんの少しいたとしても、全体で見ると筋肉はかなりの重量になりますから、トータルで見るとそこそこのプリオンがいるかもしれない。ここら辺は、まだ科学が解明し切れていない部分ですが、こういう問題も考えなければいけません。特定部位というのが本当にここだけでいいのかということです。 ただ、現時点では、科学的にまだ完全に解明されていな部分が多い病気であるけれども、安全性を確保するために、現時点でわかっている範囲で最大限の対策をとっていかなければいけません。その中でBSEの検査と特定部位の除去ということがどういう機能しているか、役割を果たしているかについて簡単にお話ししたいと思います。
 まず、サーベイランスという言葉です。これは、BSEの感染の程度を明らかにすることが目的であります。後からスクリーニングの違いをご説明しますけれども、どういうことかというと、ある国や地域にBSEの発生があるのか、また、その汚染状況、浸潤状況などを正確に把握して的確なBSE対策に役立てる、そういう目的です。 この問題としましては、国ごとに検査対象の設定などが違うとか、日米の間でもそういう問題が起こっていると思いますが、そういうことがあります。一方、スクリーニングとはどういう目的で行われているかというと、BSE感染動物を食物連鎖から排除することが目的です。ですから、今、と畜場の食肉検査事務所で行われているのはスクリーニングに相当するもので、検査結果が明らかになるまでは流通に回りません。理想的には、BSE感染牛のいかなる組織も食物連鎖から排除することになります。というのは、BSEというのはまだわかっていない部分が多い。例えば、本当に筋肉に病原体がないのか、おしっこに出てこないのか、血液中にないのか、まだ統一的な見解を得られるだけの科学的な情報がありません。そういう観点からすると、感染牛のいかなる組織も食物連鎖に入れないことが安全性を確保する一つの手段であります。
 しかし、問題となるのは、検査の対象年齢です。先ほどちょっとお話ししましたが、一般的に、どんな検査法にも検出限界がありますので、ある一定以上のものがたまらないと陽性と判断できないという問題があります。
 一方、特定部位の除去というのは、プリオンに感染している、していないにかかわらず、プリオンが含まれる可能性のある組織を除いてあげようと。これは、確かに食の安全を確保する非常に有効な手段であります。しかし、一つ前のスライドでご紹介しましたけれども、本当に完全に除去できるのか、あるいは、除去方法をもう少し検討しなければ完全に安全性を保障する手段にはなり得ないと考えられます。
 そこで、今、日本はどういうスタンスでいるかというと、BSEのスクリーニングと特定部位の除去、その長所と短所をうまく合わせることによって、両者の併用により双方の問題点を補い、高度に安全性を確保しているのであります。

まりちゃんさん、こんばんは。

そうでした、ひとたび人に異常プリオンが入ったあとは、人から人への感染のリスクがありましたね。で、そこは今のところ国は全然考慮してないわけですね。(英国滞在経験者の輸血制限以外は。)

それと堀内先生のお話、あとで別エントリーで紹介させていただこうと思います。

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このブログ記事について

このページは、hirakawaが2005年7月20日 04:07に書いたブログ記事です。

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