風景のギャップ

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今日(正確には昨日)は、氷点下の京都を早朝に発ち、朝10時から夕方5時すぎまでびっちり、高木仁三郎市民科学基金(高木基金)の助成先の選考委員会に出席。40数件の応募者から、公開プレゼンテーションを経ての最終選考に進める10数件を選ぶ会議。明らかに「これはダメ」というのもあるのだが、切実な社会問題に直結する市民科学――人々が直面する問題の解決、よりよい社会への変革のために、市民や専門家が行う科学研究・調査――が対象であるだけに、小生が選考委員となった去年と同様、選考はとても大変だった。
右の写真は会議会場だった内幸町大和生命ビル16階の部屋から撮ったもので、左側に写っているのは帝国ホテル。


去年は地階の部屋だったので感じなかったのだが、文字通り地べたに足をつけて、政府や産業界のお偉いさんはもちろんのこと、大多数の世間の人たちが気づかない――あるいは無視された――問題の解決に必死になってる人たちをサポートする基金の会議を、こんな風景の会議室でやるというのは、なんとも可笑しな趣があった。まぁ、たまたま基金の代表理事で弁護士の方が所属してる共同事務所がこのビルに入っているからなのだが、この写真の方向とは反対側は、日比谷公園をはさんで霞ヶ関や永田町がある場所。そんな日本の政治とビジネスの中心みたいな場所でのゲリラの秘密作戦会議みたいな趣で、なんだか痛快な気分でもあった。(「日本の中心で市民科学を叫ぶ」?)
会議の具体的な中身は、ここでは書けないが、今日の結果を受けて最終選考に進んだ個人やグループによる公開プレゼンテーションが、それぞれ下記の要領で開かれる。お時間、ご興味のある方は、ぜひご参加を。

公開プレゼンテーション
日時: 2005年2月27日(日) 10:00-17:00
場所: 東京南部労政会館(JR大崎駅下車3分)

ちなみに明日からは、市民科学の実践の一つであるサイエンスショップの国際会議に出るため、スペインのセビリアまで行ってくる。その後はイギリスに寄って、食品安全政策に関する共同研究の打合わせでサセックス大の科学政策研究ユニット(SPRU)の研究者と打ち合わせ。来週の水曜日に帰国する予定。

 

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