イラクで襲撃され死亡したフリージャーナリスト橋田信介さんと、その遺志を継いだ妻の幸子さんをはじめとする支援活動によって来日し、米軍の攻撃で傷ついた目を治療したサレハ君が、再治療のため昨日来日した。
サレハ君、目の再手術で来日 ファルージャの惨状訴える(朝日新聞)
今年6月、日本で左目の手術を受けて帰国したイラクのモハマド・ハイサム・サレハ君(10)が25日夕、再手術を受けるため、航空機で成田空港に到着した。
米軍などによる武装勢力の掃討作戦が続くファルージャの在住。戦火を逃れ、アンマンなどを経由して日本に来た。サレハ君は現地の模様について、「攻撃で隣家の2人が死んだ。疎開のため、日本からのお土産もすべて残して逃げた。元の生活に早く戻りたい」と話した。
一緒に来日したおじ、ワリード・サレハ・モハマドさんは「ファルージャにはまだ何万もの人が残っている。人々は過酷な生活を送っている」などと語った。・・・
無事生きていたんだね、とホッとした。が、ファルージャではサレハ君のような子供たちが、今回の米軍の攻撃によってたくさん殺され、あるいは傷ついたまま助けも求められず――米軍が医療支援の出入りを妨げているから――文字通り置き去りにされているのだろう。しかも米軍は、今回またもや市街地でクラスター爆弾を使ったため――使ったことは日本でも報道された空爆映像からほぼ明らかだろう――攻撃が終わっても、不発のまま残ったその子爆弾によって、さらに多くの子供たちが手足を失ったり命を落としたりするだろう。真偽不明だが、米軍が、女性や子供たちを戦車の上に載せて、抵抗勢力に対する「盾」にしていたという話や、化学兵器を使ったという話もある。あるいは、このブログでも指摘した「ホロコースト隠し」のためか、路上の死体を米軍戦車が踏み潰したり、野犬が食い散らかすままにしたり、ユーフラテス川に捨てたりしているという話もある。病院の占拠や爆撃・破壊という明々白々なジュネーヴ協定違反の戦争犯罪もある。(cf. Falluja, April 2004 – the book ファルージャでの戦争犯罪ほか)
サレハ君に再び光が当たることで、少しは日本のマスコミの視線も、攻撃する側=米軍大本営発表ではなく、撃たれ、なぶり殺される側に移ればよいのだが。。(それが橋田さんがサレハ君を日本に連れてこようとした意図の一つかもしれないしね。)