インターネット新聞JANJANが、先日判明した浜岡原子力発電所のずさん工事を指摘した内部告発の続報を伝えている。今回は、告発に至った告発者の方の動機について伝えている。
浜岡原発の告発続報!悪夢に心苦しむ 2004/07/31
静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所(中部電力株式会社)を建設したコンクリート骨材(砂利、砂)の試験結果について、虚偽の報告を続けていたことを原子力安全・保安院に内部告発した骨材会社の元従業員A氏(45)は30日、インターネット新聞『JanJan』の取材に対して、「阪神大震災の光景をみてから自分がやってきたことに心が苦しんでいた」と語った。
記事によると、告発の対象となった4号機だけでなく、3号機と、新規に建設され、試験運転中の5号機も同様の問題を抱えている可能性があるという。
コンクリートの不適格性など原発工事の問題については、たとえば次のサイトの文章は必読。
元原発技師・故・平井憲夫さんの話
・ 原発がどんなものか知ってほしい
・ 原発技師と浜岡住民の対話「そんなばかな」
ちなみに今回の内部告発者の方が告発に踏み切った「原体験」である阪神大震災で倒壊した高速道路というのも、実は手抜き工事の部分が崩れたという話もある。原発も所詮はコンクリートの箱に入っているだけ。そしてそれが設計上はいくら頑丈でも、施工がズサンならその「安全性」は絵に描いた餅に過ぎない。机上のリスク計算結果を盾にいくら「リスクコミュニケーション」されても、物理的現実が伴っていなければ、そんなのはまったく非科学的である。
なお、この件について朝日、毎日、読売、日経の4大紙は、少なくともネット版では、いっさい伝えていない。「浜岡」でそれぞれのサイトの最近の記事を検索して出てきたのは、次の記事のみ。
浜岡原発5号機の出力、100%に達する /静岡 (毎日 2004年7月27日)
中部電力は26日、来年1月の営業運転を目指して試験運転中の浜岡原発5号機(改良型沸騰水型、出力138万キロワット)が同日午後1時半に出力が100%(138万キロワット)の状態に達したと発表した。今後、原子炉やタービン、発電機を定格出力で運転しながら、各種設備の運転状態に問題がないかどうかを調べる。(以下略)
他方、JANJANは、4月26日の「チェルノブイリ18周年」にスタートした原発震災を防ぐ全国署名連絡会の署名活動も紹介している。
今日、浜岡で「原発停止」の署名運動 2004/07/31
崩壊の危険性があるコンクリートで建設されたことが明らかになった浜岡原子力発電所(中部電力株式会社)がある御前崎市で、31日(土)、原発震災を防ぐ全国署名連絡会(庄司静男会長)が現地署名を展開する。
この記事の最後にも紹介されているけど、この連絡会の呼びかけ人には、京セラの稲盛和夫名誉会長のような財界人まで入ってる。
それと、本件については、nanayaのひとりごとさんも昨日のエントリーで、いくつかリンクを集めているので、ぜひ見てみましょう。
浜岡原発、施工段階で行われた虚偽
一昨日のエントリーでリンクし忘れてたけど、以前に小生が作ったリンク集(更新してないのだが)もあるのでどうぞ。
稲盛和夫
稲盛和夫