26日にアシュクロット米国司法長官が公表した米国に対する大規模テロの脅威警報。数ヶ月以内、夏から秋にかけて、7月4日の独立記念日、7月26-29日の民主党大会、8月30-9月2日の共和党大会、そして11月2日の大統領選挙投票日あたりで、9.11並の大規模テロがありうるのだそうだ。
ちなみに小生は、ちょうど民主党大会直前の7月21日から25日まで大会開催地であるボストンに滞在している予定だったりする。9.11のあとは、11月にボストンで学会があったのだけど、炭疽菌騒動もあったりしたので急遽中止したことがある。今から思えば、そんなに危険じゃなかったのかもしれないけど、9.11のときもボストン発の飛行機が使われたりしたので、なんだかとっても嫌な気分。まぁ、民主党大会よりも共和党大会のほうがリスク高そうだけど。
しかし他方で今回の警報については、大統領選に向けたウケ狙い、”fictitious orange alert”だという疑いも(当然ながら)持ち上がっている。
テロ・バブル政権ブッシュ支持率、下落継続【ブッシュが本土テロを望む理由】 (Counter News)
Bush under fire over terror alert (BBC)
上のConter Newsの記事で興味深いのは、ブッシュ支持率推移グラフ。9.11を頂点に、あとは全体的に減少傾向にあり、今が最低である。この先、あがる材料はあまりない。その一方で細かくみると、2回ほど部分的に大きく回復しているときがある。一つは昨年3月20日のイラク攻撃開始後であり、もう一つが、昨年末・年始に思いっきり煽られたテロ警報のあとである。支持率アップのためにブッシュ陣営が特大のハッタリをかましてきたとしても何ら不思議ではない。Counter Newsでも引用されているが、元ナチス国家元帥 ヘルマン・ゲーリングは、第二次大戦後のニュールンベルク裁判で次のように述べたという。
もともと普通の人々は戦争をしたいと思っているのではない。しかし結局のところ国の政策を決めるのは、その国のリーダーたちである。民主主義であろうと、ファシズムの独裁であろうと、共産主義であろうとそれは同じだ。『自分たちの国が攻撃されている、愛国心のない平和主義者が国を危険にさらそうとしている』と訴えさえすればいい。この方法はすべての国で同じように効果的だ。
なんか、ブッシュ政権のやってること、そのまんまじゃんという感じの台詞である。
ちなみに上に書いた”fictitious orange alert(s)”(「でっちあげのテロ警戒警報」)というのは、マイケル・ムーアがBowling for Columbineでオスカー賞を受賞したときのスピーチ“Shame on you, Mr. Bush” (Qucik TIme動画)で使われたフレーズ。スピーチの全文は下記の通り。
“Shame on you, Mr. Bush”
“On behalf of our producers Kathleen Glynn and Michael Donovan (from Canada), I would like to thank the Academy for this award. I have invited the other Documentary nominees on stage with me. They are here in solidarity because we like non-fiction. We like non-fiction because we live in fictitious times. We live in a time where fictitious election results give us a fictitious president. We are now fighting a war for fictitious reasons. Whether it’s the fiction of duct tape or the fictitious ‘Orange Alerts,’ we are against this war, Mr. Bush. Shame on you, Mr. Bush, shame on you. And, whenever you’ve got the Pope and the Dixie Chicks against you, your time is up.”