昨日の朝日新聞の記事「人質の邦人は「反日的分子」 柏村参院議員が相次ぎ放言」には、その言葉遣いのアナクロさに大いに笑わせてもらった。さすがは元「お笑いマンガ道場」の司会者だが、こんな言い方する政治家っていうのは、いったいどういう精神構造をしてるんだろう?人質について言ってること(思想・信条の自由を否定)と、中国について言ってること(中国には人権がないと非難)は、矛盾してないのか?
人質事件にかかった費用などについて、「人質の中には自衛隊のイラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。そんな反政府、反日的分子のために血税を用いることは強烈な違和感、不快感を持たざるを得ない」と発言。中国については、「刑務所の内にも外にも人権なんてものは恐らくないんでしょう。それに比べれば日本の刑務所は楽園だ」と語った。
この論理をそのまま一般化すると、たとえば諫早湾干拓事業に反対している漁師の人や、無駄な高速道路の建設に反対している議員(野党だけじゃないよね)もみんな反日的分子になっちゃう。あるいはそもそも、この柏村氏と同じ自民党の加藤紘一さんも、自衛隊イラク派遣には反対しているから、反日的分子になっちゃうわけだ。なんかすごいな。
そんなに意見の多様性や思想・信条の自由が嫌いならば、近くにちょうどいい国――その国自体が「反日」という問題はあるが――があるから、そこに行けばいいのに(笑)。
続き。
ちなみにこの柏村議員、ホムペにある「柏村武昭の信条」には「NPO活動の育成 -善意の心を生かそう-」というのがある。シャレがきつすぎる。
またこんな講演録も書いている(しかしページ内リンクとはいえ、日本語をURLに混ぜないでほしい。。。)。
「自己中心的な人間が起こしたイラク人質事件」
どう読んでも、意図的に政府の責任や、近代国家の基本的義務の存在を覆い隠すためか、単に党のエライ人の弁に乗っかって言いたい放題のDQNおやじの放談という感じだが、その一方で、以下の主張などは、与党議員にありがちな独善的国家観だけでなく、今回なぜ世間が、人質とその家族に対しソッポを向いたのか、その庶民感覚も物語っているかもしれないなとも思った。
人質の家族は手際よく記者会見を行い声高に又、ヒステリックに「直ぐに自衛隊をイラクから撤退させろ」「三人の人命が大事なのか、国のメンツの方が大事なのか」「総理に会わせろ」などと好き放題のことを言って、えらい強気でしたね。
行ってはいけないイラクへ勝手に出掛けて行って拘束され「申し訳ありません」のひと言もない家族たちの態度にたいして私は非常に不満でした。