仏でヤギが初のBSE感染

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う~ん、とうとうヤギのBSE感染が確認されましたか。

仏でヤギが初のBSE感染 欧州委が確認と発表
欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、2002年に食肉処理したフランスのヤギが検査の結果、牛海綿状脳症(BSE)に感染していたことが分かったと発表した。欧州委は、ウシ以外の動物でBSE感染が確認された初めてのケースとしている。
 欧州委は、BSEに対して長い間予防措置を講じており、消費者に対する危険は少ないとしているが、報道官は「来週にも欧州理事会に感染拡大の予防策を提案し、6カ月の集中監視を行う」と表明。感染経路などの特定も急ぐ。・・・
(共同通信) – 1月29日0時31分更新

いったい感染経路は何だったのか?EUは、飼料規制として、すべての動物から動物への肉骨粉等飼料の利用を禁じているが、措置が徹底していなかったのだろうか?


また、これは人への感染についてはどういう意味を持ってるんだろう。少なくともヤギも今後、食用は注意しなければいけないわけだが、「種間バリア」の厚さ(薄さ?)が気になるところ。ちなみに日本の飼料規制では、今のところ、すべての動物の肉骨粉を反芻動物(牛、羊、ヤギなど)に与えることを禁じているが、豚・鶏の肉骨粉を豚・鶏に与えることだけは、その全処理過程(と蓄・食肉処理場―肉骨粉製造所―飼料工場)を牛と完全分離することを前提に、この4月から解禁することになっている。下記の記事によれば、焼却処分される肉骨粉は毎年20万トン強で、豚と鶏の肉骨粉は各4割を占めるため、「食肉業界は豚・鶏の肉骨粉の有効利用を求めてきた」こと、また「政府としても152億円(03年度実績)に達する焼却補助金の減少が期待できる」というのが背景事情らしい。(「有効利用」で共食いですか。。はぁ)

<BSE問題>豚・鶏肉骨粉の利用解禁へ 処理は牛から分離
 農林水産省は4月から、豚・鶏の肉骨粉について、豚・鶏用の飼料に限って利用を認めることを決めた。BSE(牛海綿状脳症)の感染源となり得る牛の肉骨粉の処理ラインと完全分離することを条件に、近く関係省令を改正する。安全面での厳しい条件を課したうえで、これまで全量処分されてきた豚・鶏の肉骨粉の有効利用に踏み出す。
 政府は01年9月のBSE国内初発生に伴い、すべての動物に由来する肉骨粉の飼料利用を禁止した。しかし昨年6月に食品安全委員会が豚・鶏について、「人間への直接的な健康への影響は無視できる」と判断したことを受け、農水省は牛の肉骨粉と分離して、飼料として再利用するよう検討してきた。・・・
(毎日新聞) – 1月25日8時32分更新

ついでにいうと、アメリカ様の飼料規制は、反芻動物から反芻動物への肉骨粉使用しか禁じていない。それすらちゃんと守られているか疑わしい(つまり未だに牛に牛の肉骨粉を食わせてる)という話もあるが、そうでなくても、牛の肉骨粉は豚などに公然と与えられている。しかも、飼料工場で牛と豚のラインがちゃんと分離されていないところも多いという話もあって、「豚用の牛の肉骨粉」が牛用の飼料に混ざる「交差汚染」の危険が指摘されている。
さらにいえば、豚はもしかしたらBSE感染牛の肉骨粉を食べているわけで、米国産の豚肉を通して異常プリオンを人が摂取する怖れも考えられる。また、BSE感染牛の肉骨粉を食べたかもしれない子豚が日本に輸入され、飼育されて食用になったり、さらには肉骨粉になって豚や鳥に異常プリオン汚染が広がっていくなんていう可能性も考えられる。(ちなみに輸入豚でも日本で2ヶ月以上飼育すれば「国産豚」として表示して出荷できるらしい。)今回のヤギのBSE感染は、そんな恐れのリアリティを垣間見せるものなんじゃないかと思うのだけど、どうなんだろう?
参考記事:(BSE&食と感染症 つぶやきブログより)

ちなみに、欧州食品安全機関(EFSA)の「地理的BSEリスク(GBR)」の評価関連記事)によって、飼料規制をちゃんとやらない限りは(つまり現状ではやってない)、状況は極めて不安定で、今後も感染牛が存在する可能性は高まり続けるとされているアメリカは、そんな自国の現状を棚に上げて、日本政府にこんなことを言ってきているらしい。

<米国産牛肉>輸入再開の時期明示を要求 米農務長官
ジョハンズ米農務長官は27日、加藤良三駐米大使と米農務省で会談し、米国での牛海綿状脳症(BSE)発生から日本が停止している米国産牛輸入の再開問題について、再開時期を早急に明示するよう要求した。また、農務省内に特別チームを設置することを明らかにしたうえで、「可能なあらゆることをやる」と輸入再開に全力を挙げる考えを示した。
 就任直後のジョハンズ長官がBSE問題で日本政府関係者と会談したのは初めて。03年末の輸入停止から1年余りがたっており、米議会や畜産業界には「解決のめどがついていない」との不満が高まっていることを背景に、同長官が早期解決を強く迫った形だ。・・・
(毎日新聞) – 1月28日11時22分更新

「解決のめどがついていない」って・・・めどをつけてないのは、あんたらやろ!と思わずツッコミたくなるボケ発言だが、とりあえず日本側は、食品安全委員会による評価など、「輸入再開には、必要な国内手続きを踏まなければならない」と答えているという。
いくら人への感染リスクは元来小さいとはいえ、あからさまな政治的圧力に屈して、法的・科学的な筋を曲げちゃ、食品安全委員会創設以前に逆戻りである。がんばれ!日本政府!!

 

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