いろいろ気になる豚フル

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豚フルの話題が毎日のニュースで繰り返されてるわけですが、
どーにもそのリスクがつかめないのがイヤなところ。
今日(29日)のニュースでは、米国テキサス州で1歳11カ月の幼児(遊びに来ていたメキシコ人のお子さんとのことだが、どこで感染したかは不明)が死亡し、初めてメキシコ外で死者が出たそうだけど、今のところ死者はメキシコに集中している。メキシコ以外の国では、そんなに重症例もないようだ。今日の別のニュースでは、WHO緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の見解として、「今回のは弱毒性」という話を伝えている。
仮にそうだとして、一番に気になるのは、なぜメキシコでたくさん重症者が発生し、たくさん死んでるのかということ。(28日に記者会見したメキシコのコルドバ保健相によると、同国で重度の肺炎を起こし感染が疑われた2498人で、1311人が今も入院中、また死者数は29日現在で159人とのこと。)


これは、メキシコの公衆衛生レベルが驚くほど低くて、米国や欧州なら重症化せず普通に助かるようなものが助からないということなのか。(まぁ、米国や欧州のような先進国でも、医療サービスにアクセスできない人はたくさんいるわけだけど。)
それとも、メキシコで重症化しているのは、豚フルとは違う別の病気という可能性はないだろうか。たとえば、すでに別の病気になってた人たちが豚フルにも感染しちゃって重症化しちゃったとかというのも考えられないか?
そもそも情報として出てくる「人数」が、死者数とか重症者数とかばかりで、感染者数全体がわかんないから、リスク(重症化の確率や致死率)が全然つかめないのが、きもちわるい。
そのへんのリスクが見えてくると、たとえば普通のインフルエンザと比べて同程度ないし低ければ、予防に関しては普通波の警戒でいいわけで、だいぶ安心できるのだが。。まぁ、感染して発症しちゃうと、免疫や専用のワクチンがないぶん、ちと怖いけど。
ちなみにWHOの最新情報によると、メキシコでの確定奨励数(laboratory confirmed human cases)は26人で、そのうちの死者数が7人とのことだが、これも曖昧さいっぱいな気がする。
どうも、メキシコにはそんな検査する体制が整ってるのかどうかとか、たとえデータが集められてても正しくWHOに報告されてるのかどうかという面での信頼性に疑い(不確実性)があるからだ。
それとも、米国疾病対策センター(CDC)WHOのスタッフが入っているのか?
そのへんの「データソース」がわかると、少しは信頼性に関する不確実性が下がるんだけど。
ちなみに職場では、28日の時点で「感染諸国(メキシコ、米国、カナダ、スペイン等)への渡航については、公務出張は原則禁止、公務以外の渡航は強く自粛を勧告する」とのお達しがでた。
自分としては、24日からパリ(たぶんその後ロンドンも)に行く予定なので、欧州の動向が気になるところ。さらに6月末はボストン行きもあるが、こっちはダメかな?そもそも飛行機の中は空気も乾燥してるし、感染者が同乗してて、自分の体力も落ちていたりしたら、ちょっと怖い。。 (ちなみにパリの出張用務は、日本の政府関連機関主催の会議への出席なんで、その会議自体がキャンセルの可能性もある。)
いずれにせよ、突然変異起こしたりせず、弱毒性のまま早期に収束して欲しいものだけど、ちょっと考えたくない2つの最悪シナリオ。
まず、仮に現在のが弱毒性だとしても、これが広がる中でタミフルとかを使いすぎて、耐性もってしまったやつが登場、そして強毒化してしまうというパターン。
感染者6億人(当時の世界人口は18億人)、死者4000万-1億人(Wikipedia)というスペイン風邪は、最初1918年3月にシカゴで限定的に発生した後、第一次大戦での米軍の進軍とともに欧州に拡大、そして同年8月頃にアフリカ西海岸の英国保護領シエラレオネの首都フリータウン付近で強毒化し、秋に世界同時的に拡大したというし。今回の豚フルがもしそうなって、さらに耐性問題なんか出てきたら、専用のワクチンができるまでは相当に厄介そうだ。
それともう一つの最悪シナリオは次のパターン。
まずは弱毒性のまま、中国でも感染拡大。
しかし「検疫」よりも「検閲」が厳しい中国(www)は、仮に実態を把握しつつも(しないし、できない可能性も大)、世界に情報を公開しない。
そして、人口が多く「巨大ウイルスインキュベータ」と化した中国国内で強毒性の株が出現、国内でパンデミック。
でも中国政府はダンマリのまま。
そうこうしているうちに、それが中国国外にも広がり世界的にパンデミック。
・・・ないとは絶対にいえない、というより、大変ありそうで怖いシナリオだorz
以下、豚フル関係の情報ソース:

<追記>
そうこうしているうちに、とうとうWHOが警戒レヴェルをフェイズ5(新型インフルエンザがより大きな集団で発生=パンデミック1つ手前)まで上げちゃいました。
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2009/h1n1_20090429/en/index.html
このステイトメントで、WHO事務局長が
”For the first time in history, we can track the evolution of a pandemic in real-time. (史上初めて私たちは、パンデミックの進行をリアルタイムで追跡できる)”
といってるのが、コワい反面、不謹慎ながらちょっぴりドキドキ感をそそります。

 

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