阪大演習中

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先週水曜から始まった阪大コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)の科学技術コミュニケーション演習。金曜から5日のブレーク(といっても調査実習用の時間)をはさんで、本日が4日目です。文系・理系双方から16人の大学院生が参加してます。
グループワークが中心のこの演習で学生さんたちは、専門が違う者同士の3つの混成チームに分かれて、共通の課題について議論し、調査し、発表するという作業に取り組んでいます。「混成」チームにすることで、それぞれが持ってる視点の特殊性や、異なる専門が集まることによる視点の広がり、多様性、その意義について、実体験で学んでもらうことが主旨です。(コミュニケーションの第一歩は、互いの違いに学ぶこと!)


今回の課題はズバリ、「日米BSE問題」。具体的にいうと、「<市民>を代表するNPOのメンバー」という役割設定をしたうえで、「米国牛肉再々開条件」について市民代表として政府に対する提案をまとめ、これを市民に説明し、関心を高めるためのパンフレットを作成するというロールプレイ演習です。
もちろん、ここで「市民ってそもそも誰よ?」ということ自体が、演習の中で考えてもらうことで、自分たちはどんな人々の意見や利益を代表するのか、誰に向けてメッセージを発するのかという「マーケティング」から考えてもらってます。また最終成果であるパンフレットの作成にあたって、今日の午前中には、CSCDのデザイン系のスタッフによるレクチャーもありました。写真は、グループごとにわかれて、盛り込むべき内容や、その表現デザインを吟味しながら、パンフレットを作ってるところ。それぞれ工夫を凝らした個性的なものが出来上がりつつあります。
ちなみに、パンフのための資料を集めるために農水省の海外統計情報を見ていた学生さんが面白い事実を発見。「品目別輸入実績について」というページにある牛肉の輸入実績なんだけど、2003年12月24日に輸入禁止になったはずの米国からの牛肉(くず肉を含む)が、なぜか2004年も1,275,609キログラム輸入されていることが記されている。もちろん量としては、禁輸前の200分の1くらいの量なんだけど、いったいこれは何??ってことになって、「こういう疑問は直接、農水省に聞いてみよう!」ということで、その事実を見つけた学生さんが早速電話してみました。

それによると、どうやらこれは、輸入禁止直後に日本に届いて税関を通過し、その後処分に回されたものだということ。農水省の統計は税関の記録に基づいてるので、処分するしないにかかわらずカウントされるのだそうです。どういう処分のされ方をしたのかは、別の部署(消費・安全局)じゃないと分からないとのことで、それはまた明日にでも、学生さんが確認してくれるでしょう。

もう一つ、今日の発見は、パンフ作りをしたCSCDの「工房」の隣の部屋にあった謎のお面や人形(右上と右の写真)。近くに国立民族学博物館(民博)があるから、そこのかなぁと思いつつも、民博のだったら、自分のところに保管してるだろうし、もしかしたら大阪万博のときのものかもしれません。(CSCDは万博記念機構という団体のビルの中にあります。館内には、万博のときの電気自動車も、なにげなく置かれてたりします。)

さらにこの部屋には、万博のときの電話交換機と思われる機械もありました。一番下の写真がそれです。画面左下に写ってるのは、工房用のネットワークのハブです。万博から36年、時代とともにテクノロジーも大きく変わったんだなぁと、感慨深い光景でした。

 

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