うげっ

投稿者:

今夜のニュース。またたく間にフランス全土に広がった移民系マイノリティの暴動が、とうとう隣国のドイツ、ベルギーの首都ベルリン、ブリュッセルの中心部でも発生したとのこと。
今度の日曜から一週間、そのブリュッセルに泊まるんだけど。。。ちょいガクブルかも。
毎日新聞の記事によると、車5台が燃やされたという事件が起きたのは「中心部」からはやや外れた南駅(Gare du Midi)周辺とのこと。やはり移民系の人たちが多い地域だそうだ。中央駅やグランプラスの辺りは、夜遅く一人で歩いててもあまり怖くないが、確かに南駅あたりは昼間でも空気が沈んだ、光に色がないかんじのところだ。
今回泊まるのは中央駅の近くだから、大丈夫と期待したいところだが、ブリュッセルなんて小さな街だし、夜間は気をつけないといけないかも。
とりあえず、いま世界は不安定化している。日常レヴェルからかつてないほど。ちょっとしたきっかけで、差別や貧困によって溜め込まれたストレスに一気に火がつき、騒乱へと相転移してしまう。


そういえば、今日のゼミで学生に読ませた緒方貞子さんの英文コラム(『人間の安全保障委員会報告書』所収)にこんなパラグラフがある。これが指し示す現実がリアルタイムに起きていることを、ゼミでは説明した。

This broadening of security reflects the changing international and national environments. Internal conflicts have overtaken interstate wars as the major threats to international peace and security. The globalization process has deeply transformed relationships between and within states. Although more people than ever have access to information and essential social goods, the gaps between rich and poor countries — and between wealthy and destitute people — have never been greater than today. The exclusion and deprivation of whole communities of people from the benefits of development naturally contribute to the tensions, violence and conflict within countries.
訳: [国家安全保障だけでなく人間の安全保障も含めた]この安全保障の拡張は、変わりゆく国際的および国内的環境を反映している。国内の紛争は、国際的な平和と安全に対する主要な脅威としての地位を、国家間戦争から奪い取ってしまった。グローバリゼーションの過程は、国家間、そして各国内部の諸関係を深く変えてしまった。かつてないほどより多くの人々が情報や本質的な社会的財にアクセスできるようになっているが、豊かな国と貧しい国、富裕層と貧困層のギャップが、今日ほど大きくなったことはかつてない。人々の共同体全体を発展の利益から排除したり収奪することは、自然な成り行きとして、各国内の緊張と暴力、紛争[の高まりや増加]に寄与してしまうのである。

 

1つ星 (まだ評価がありません)
読み込み中...

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください