ナノテク社会受容ワークショップ

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今日は日帰りで東京出張。(独)物質・材料研究機構エコマテリアル研究センター主催の「ナノテクノロジーの社会受容促進に関する調査研究」第2回ワークショップ「倫理・社会影響に関する研究」に行ってきた。
面白い話はいっぱいあったのだけど、そのなかで特に印象に残ったのが以下の話。

欧米の研究者から日本がよく批判されるのは、「日本の研究は、製品化技術ばかりで、エンドポイントがない」ということなんです。

つまり、何かを作り上げるための技術は得意でも、その肝心の「何か」、目標とか目的、あるいは広くは「ヴィジョン」が欠けているということ。「構想力」がないというふうにもいえるだろう。
これって、ナノテクに限らず、あるいは科学技術に限らず、日本社会全般にいえるかも、と思った。たとえば今回の選挙での民主党のマニフェスト。「8つの約束」というのはあっても、それが果たされた結果、どんな社会になるのかがよくわからない。(まぁ、自民党の「郵政民営化」「小さな政府」というスローガンが、ちゃんとしたエンドポイントになってるかといったら、単に「なんとなくいいんじゃない?」という程度のイメージでしかないんだが。)
ちなみに今日の会場は経産省の別館。暑くて、座っていてもじんわり汗をかいてしまった。参加者が多かったこともあるけど、冷房温度がちゃんと省エネ設定になっていたのだと思われ。


選挙のことも、ちょっと書いておきたいテーマがあるのだけど、そろそろ新学期で、あれこれ処理しないといけない仕事があって、時間が取れない。

 

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1件のコメント

  1. 「日本の研究は、製品化技術ばかりで、エンドポイントがない」のは、事実だ。しかし。何が足りないかと言えば、この批判を簡単に納得してしまうところだ。それでは、反発すればいいか。いや。「欧米の研究、特に欧州の研究は、製品化技術についてがすくない。」といって反発するのも意味がない。
    実は、日本の研究は、製品化技術にすぐれ、欧州の研究はエンドポイントの形成がしっかりしているので、国際共同研究をしようというのが一番良い。その際、製品化の問題が欧州の研究者では盲点となっていることに気がついて欲しい。そこで、日本の研究者が製品化技術の大切さを訴えるための議論を構築することだ。これに関して国際学会を開いて議論するのが良い。それによってはじめて円滑な協力体制が生まれる。
    なお、米国は、それ自体で完結しているので、あまり意味がない。ブッシュと小泉になってしまう可能性が強い。日欧協力が進めば、良い。ただ、ドイツは製品化技術を小馬鹿にしているところがあるので、なかなか納得しないだろう。協力がうまくいかない可能性がある。日仏は補完関係がある。コミュニケーションを成功させれば、大変うまく行く。その成功例が日産。ただ、日本の大多数の企業家のように、欧米とひとまとめにとらえて、米国式のコミュニケーションが欧州で通じると思うとしくじる。

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