早く議事録見たい―食安委で米牛リスク評価開始

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昨日26日の第96回食品安全委員会で、農水・厚労省から24日に諮問された米国とカナダからの輸入牛肉のリスク評価を食安委がはじめることが決められた。担当のプリオン専門調査会では31日から審議が始まるらしい。
まだ議事録が出てないので(頼りない)新聞報道に依るしかないが、上記サイトにアップされてる諮問書を読んだだけではわからないヒドイ話になってる模様。これでは委員会は手足を縛られ、目と耳をふさがれたようなものだ。

食品安全委: 輸入牛肉のBSE安全チェックは議論の対象外
 食品安全委員会(寺田雅昭委員長)は26日、米国産とカナダ産牛肉の輸入についての議論を始めた。問題となっている米国牛の月齢確認の正確さや、脳など特定危険部位の除去が適切に実施されているかについては、基本的に厚生労働省と農林水産省に任せ、委員会の議論の対象外とすることを確認した。現実の安全性は、委員会に加え、両省の判断にかかる。
 米国とカナダは輸出再開の条件として「月齢20カ月以下の牛の肉とする」「特定危険部位は適切に除去する」などを提案している。両省はこの条件が守られたと仮定して安全性を検討するよう委員会に諮問した。寺田委員長はこの日、「条件の順守に責任を持ってほしい」と両省に要請した。・・・
毎日新聞 2005年5月26日 21時14分 (強調引用者)

「両省はこの条件が守られたと仮定して安全性を検討」って、その仮定そのものがそもそも怪しいというのに、安全委員会の検討対象から外すわけ?厚労省と農水省が確認するというけど、この前の子供の使い以下の現地調査(参考:厚労・農水省 米・加のBSE対策調査結果を発表 安全性評価の資料にはなり得ない)という「前例」を見る限り、ぜーんぜん信用できないんですけど。(だいたい、ほんの数箇所――”several”ですらなく”a few”かもしれない――施設を見学しただけで、牛生産大国アメリカの飼料規制や危険部位除去体制のことがわかったかのようなことを結論付けてるあの報告書、学生のレポートだとしても絶対にボツだな。)
ちなみに、しんぶんアカハタの記事は、昨日の委員会のやりとりについて、もう少し詳しく報じている。(強調筆者)

政府諮問に疑問続出 北米産牛評価で食品安全委
BSE(牛海綿状脳症)問題で輸入禁止が続いている、北米産牛肉(生後二十カ月以下の枝肉・内臓肉)を対象にした食品健康影響評価の政府諮問について、内閣府の食品安全委員会が二十六日開かれ、委員から諮問の内容や形式などに疑問が相次ぎました。・・・

 また、今回の諮問が北米産と国内産の「リスクの同等性」の評価を求めていることについて、「米国内のBSE対策全体の評価をしないことか」、「米国内の飼料規制は(審議の)対象としていない諮問なのか」、「米国とカナダを同時に評価し答申することをもとめているのか」などの質問も次々だされました。
 これにたいして、厚労、農水両省側は、「同等性」についての説明はせず、「限定されたリスク評価となる」とのべ、米国のBSE対策の全体評価を求めない意向を明らかにしました。飼料規制については「同等性評価の過程で飼料規制も評価される」とし、米国産とカナダ産について「なるべく同時に答申してほしい」などと答えました。

 寺田雅昭食品安全委員長は、両省にたいしプリオン専門調査会の審議にあたって、「なぜ諮問がこのような内容、形式になったのか、リスク機関として同等性をどう考えているのか説明し、必要な資料も提出してほしい」と注文しました。

最後にある寺田委員長の「注文」への答えはぜひ知りたいですね。ことと次第によっては、政府の対応に疑問をお持ちの委員の先生方、一斉に辞意を表明して、たまには農水・厚労省、ひいては首相サイドに揺さぶりをかけてみてはいかがだろうか?
いずれにしても、早く議事録を読んでみたい。この際、委員会審議も、国会のようにインターネット中継+ビデオライブラリー化して、即日見られるようにしてみてはどうだろう?
あと、これに関連したブログ・トピ。

ちなみに上の記事でも指摘されているが、政府の対応に疑義を呈し、そのうち2人はすでに辞意も示しているプリオン調査委員会委員の山内委員、品川委員、金子座長代理のことを、あたかも「わからずやの困ったチャン」扱いしているマスゴミ一同って何者?その昔、水俣病で、国・加害企業の弁護に奔走した東大や東工大の学者たちの言い分を鵜呑みにして、地元の熊本大学医学部の研究調査をこき下ろしまくった当時の報道とダブって見えるぞ。

 

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11件のコメント

  1. 米国産牛肉 輸入再開は?

    『読売新聞(05/05/27)』
    米国産牛肉〓輸入再開の条件は整っている
     米国は、感染牛がカナダから購入されたものであることなどを理由に、輸入再開を強く求めてきた。日本は、すべての牛についてBSE感染の有無を調べる全頭検査を米国が実施していない、として要求を…

  2. 三途の川への渡し舟??アメリカ牛の危険な話

     昨日(10日)、ジョハンズ米農務長官のコメントがBS1のニュースで紹介されていた。<アメリカ政府は消費者の健康を第一に考えている。一昨年12月以来、国内でBSE感染牛は見つかっていない。日本の輸入再開に向け全力で取り組んでいく>……。成長ホルモンを投与、…

  3. 全頭検査廃止・米国牛輸入再開を推進される食安委・唐木英明教授のご活動

    物事は両極から公平に見て、判断しなければなりません。検査廃止反対派の一方ばかりを紹介して、一方を紹介しないというのは、読者をミスリードする可能性があります。ということで、今回は、全頭検査廃止・米国牛輸入再開を推進されている、全頭検査廃止推進の旗手?、唐…

  4. 英国:BSE(狂牛病)被害者は本当に150人だけ?盲腸推計3800人と、二次感染防止通知6000人

    BSEによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)について、一部の学者の方々によって喧伝されるのは、「リスクは僅少」という形容をつけた、発病した「死者」の数だけだったりします。しかし私達が注意しなければならないのは、彼らが公衆衛生や院内感染の専門家では、…

  5. ジャマイカの今 と 牛肉問題

       
       Nice to meet you.
       
         このページは必要に応じて更新してゆきます。
       ?
    ———…

  6. 12月分の2

    べいこくさんぜんとうけんさきょひぎゅうにくごったにぶっかけめし【米国産全頭検査拒否牛肉ごった煮ぶっかけ飯】〈名詞〉マスコミ各社の「食べられない」報道で得を…

  7. 小泉劇場以後マスコミは「大本営発表」になった

    重要な問題はこそこそと閣議決定で決められていくわけですが、解禁に至る経緯のなかで、マスコミが延々と「米国産全頭検査拒否牛肉ごった煮ぶっかけ飯が食べられない…

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