明日から出張ついでに、月曜に開催される食品安全委員会プリオン専門調査会の会合も傍聴しようかと思ってるのだけど、その食品安全委員会が、アメリカからのプレッシャーを意識してか、審議内容の英語版をホムペで公開するようになるらしい。
BSE:米国産牛肉の輸入再開 公平中立審議、海外に情報発信--棚橋食品安全担当相(毎日新聞 2005年3月22日 東京夕刊)
棚橋泰文・食品安全担当相は「食品安全委員会がリスク管理機関として、科学的な知見に基づき、公平中立に審議しているという正確な情報を、海外にも発信していきたい。審議内容の英語版をホームページに掲載するなど、外務省と連携して国内外に情報発信し、誤解を解いていきたい」と述べているという。
うーん、そこまでしますか、という感じもしないではないけど、こういうのは透明性が大事だからね。でも、担当者は大変だろうな。議事録も英訳するんだろうか。フィージビリティを考えると、論点のまとめくらいかな?小生のような研究者としては、元資料が英語であったりすると、論文書いたり海外の学会発表の資料を作るのにラクなんだけど、その英語が果たして、どんなものになるかはチト心配。食品安全委員会の英語版パンフレットも、ノンネイティヴの小生から見ても、けっこう英語として怪しい表現多いし。(以前、食安委へのインタビューで同行した英国人の研究者も「これは添削しないとダメだ」と言ってたっけ。)去年、とあるワークショップ用に書いたペーパーで、英語パンフからそのまま引用しようと思ったけど、結局日本語版を自分で訳して使った。役所だし、プロのネイティヴ・チェックを受けてると思うんだけど、どうなんだろう?
もう一つ、BSE関連のニュース。こちらはより重大。
牛肉貿易の衛生条件緩和案 OIE提示、政府は反対 (共同通信) – 3月24日18時24分更新
動物衛生の国際機関である国際獣疫事務局(OIE、本部パリ)が、牛海綿状脳症(BSE)に関連した牛肉の貿易条件を緩和する改定原案をまとめ、日本に提示したことが24日、明らかになった。5月に開く総会で採択を目指しているが、日本政府は牛肉の安全性を確保するため反対する方針だ。
記事によると、特定危険部位(SRM)には厳しい管理を求める一方、皮革製品、牛乳、乳製品などはリスクが低いとして、貿易に「条件を加えるべきではない」という。
で、日本にとって重大な「牛肉」はというと、現行では「BSEの発生状況に関連して条件を加える」とされているのを、改定原案では、骨から外した筋肉について、牛乳などと同様「条件を加えない」とするのだそうだ。
最近では、末梢神経(つまり筋肉中の神経)や炎症臓器からも異常プリオン検出という実験結果もあったりするわけだが、そのリスクは無視したとしても、一番肝心なのは「骨から外した筋肉」でも、屠殺・解体する際のずさんな作業によって、異常プリオンを含んだ脊髄液などで汚染されていないかどうかであるわけだが、そこは問わないのだろうか?問わないとすると、「骨から外した筋肉」はただの絵に描いたモチじゃないだろうか。
BSE安全基準を大幅緩和、国際機関が日本に原案提示
BSE安全基準を大幅緩和、国際機関が日本に原案提示
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/ynews/20050324i316.htm
BSE安全基準、検査なしで輸出可能に・国際獣疫事務局
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050325AT1F2400I24032005.html
米国には言えんでO」…