アクリルアミドに関する情報が集められたサイトを見つけたので、メモ。
後者のサイトのうち、とくにAcrylamide Formation/Reductionのページには、アクリルアミドの生成と削減に関する研究論文や報告、会議情報などのリンク・リストがある。
それと、アクリルアミドの生成・起源に関して、一昨日のエントリーにも追記として加えておいたポリアクリルアミドの熱分解に関する情報も再録しておく。
食品安全情報blogの畝山さんの記事「食品中アクリルアミドの由来について」で、「ポリアクリルアミドが脱重合してモノマーのアクリルアミドを生成して食品の汚染源になるという証拠はない」とする実験結果を示した論文の紹介がありましたので、そのアブストラクトの翻訳とともに、ここにも紹介しておきます。(掲載誌はどうやらウチの大学図書館も定期購入しているようなので、明日にでも論文本体をゲットしよう。)
Ahn, Jongsung S; Castle, Laurence. “Tests for the depolymerization of polyacrylamides as a potential source of acrylamide in heated foods,” Journal of Agricultural and Food Chemistry, Vol. 51, No. 23, 2003 (November), p. 6715-6718/American Chemical Society.
要約: この研究は、農業で使われるポリアクリルアミドが、熱による脱重合によって、加熱食品中でのアクリルアミドの生成に寄与する可能性をテストするために行われた。ポリマー(高分子)鎖中および鎖末端での脱重合をテストするために、1.5kDaと10kDaの低分子量のポリアクリルアミドの2つのサンプルが用いられた。それらは、乾燥中の、または乾いた環境で加熱した場合をテストするためにフィルター紙と、脂肪質の多い環境で加熱した場合として料理油に加えられた。加熱の条件は、175℃で15分および30分であった。両方の処方は、レドックス(酸化・還元)活性な金属イオンFe(III)とCu(II)が存在しない場合と存在する場合でテストされ、全てのテストが大気中の酸素の除外なしに行われた。有意なレベルでポリアクリルアミドから自由なアクリルアミドのモノマーへの脱重合を記す証拠は存在しなかった(<0.04%)。実際、低分子量のポリマー中に既に存在しているアクリルアミドの残留レベルは、加熱のもとで50-80%の間であることがわかった。従って、たとえポリアクリルアミドが、その中で育てられる農作物や食品を汚染することになっていたとしても(これ自体は未証明の提案である)、食品の加熱によってポリマーが脱重合して、有意な量のアクリルアミドを生成する証拠はないと結論される。