文句をいう相手が違うだろ

投稿者:

食品以外の産業分野にとっては、とんだとばっちりだというのはよく分かるが、文句をいう相手が違うだろ。

米産牛肉禁輸で懸念や批判 政府、財界から相次ぐ

 牛海綿状脳症(BSE)発生に伴う米国産牛肉の禁輸をめぐり7日、政府、財界から米国の対日強硬論の高まりへの懸念や、食品安全委員会(内閣府)の運営の在り方に対する批判の声が相次いだ。・・・
 日本経団連の奥田碩会長は会見で「こんなに(禁輸を)長く延ばして、その結果、国際摩擦になるのは非常にまずい」と懸念を表明。さらに「(食品安全)委員会がもっと(審議を)頻繁に開いて、日本が放置しているのではなく積極的にやっているという姿勢を示すべきだ」と指摘した上で、経団連としても早期解禁に前向きに取り組む姿勢を強調した。(共同通信) – 3月7日22時2分更新


アメリカにも、問題を政治化しないで、科学的にちゃんと筋を通すよう言ったらどうだ?(もしかして、上記記事では省かれてるだけで、本当は言ってるのかと思い、経団連のサイトにある「記者会見における奥田会長発言要旨(2005.3.8)」を見たけど、そこにもアメリカに対する文句は見つからない。)
ちなみに去年秋に食品安全委員会について書いた論文で共著者の1人が調べたのだが、リスク評価に関わる委員会事務局(評価課)のスタッフ数は23人。たったこれだけの人数で、本体委員会のほか、その下の専門調査会の中にある13の評価グループ全体の仕事を切り盛りしている。委員会には、BSE問題以外にも、農水省・厚労省から年間300件近いリスク評価案件が寄せられており、専門調査会によって案件数にばらつきはあるとはいえ、全般的に事務局スタッフが(他の官庁でもそうだろうが)相当の激務に追われていることは想像に難くない(参考:霞ヶ関は「不夜城」だった!)。専門調査会の委員にしても、それぞれ本職をもつ身でもあり、委員会審議の準備にはそれ相応の時間がかかる。「4週間に1回」というのが、果たして、「少ない」と非難すべき頻度なのかどうか、「積極的でない」などといえるのかどうか、そのあたり、ちゃんと考えてみたほうがいいんじゃないだろうか。
<追記:3/12>
3月2日のニュースでこんなのもあった。

米牛肉輸入問題:外務省首脳が食品安全委を批判
 外務省首脳は2日、牛海綿状脳症(BSE)で輸入禁止となっている米国産牛肉の輸入再開問題について、「(食品安全委員会の)スローペースぶりが米国側の不信感を招いているのは間違いない。何で毎日やれないのか理解に苦しむ」と述べ、食品安全委員会を批判した。・・・(毎日新聞 2005年3月2日 21時23分)

「何で毎日やれないのか理解に苦しむ」って、外務省の審議会でも、毎日なんかやれんだろうが。事務局だって準備できない。それとも外務省って、そんなにヒマなのか?(違うだろう?)外務省ってのは米国通商代表部日本支部霞ヶ関分署なのか?(まぁ、身内を責めるフリをして、米国をなだめようという作戦なのかもしれないけど。)

 

1つ星 (まだ評価がありません)
読み込み中...

1件のコメント

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください