いろいろ危ないよね、って話

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昨日は夕方から科学技術ガバナンスの研究会。沿岸開発の意思決定の問題についていろいろ。
そのなかで(雑談モードになったところで)、「いろいろ危ないよね」って話がいろいろ飛び出した。
たとえば、「最近の一部の環境運動の言説がナショナリズム的言説に急接近している」とか。今まで、散々環境を破壊しまくってきた与党サイドが「美しい国土」という(扇千景が言い出したやつ?)キーワードのもとで、環境保護とか環境教育に乗り出してきてて、「美しい国土」のもとに、ナショナリスティックな言説がまとわりついているとか。なかには、かつての「愛国婦人会」とほとんど同じような文章を書いている団体もあるとか。(このあたりは、同じ「美しい国土」という言葉を使いつつも、それが他のどのようなキーワードと一緒に使われているかを「共語分析(co-word analysis)」でテキストマイニングすると、いろんな思想傾向・利害傾向を分別できるのでは、というアイデアも出た。)
それと、「NHKの『ご近所の底力』」も危ないね」という話も。これは、一昨日の夜、同番組を見ながら我が家で出た話題でもある。この番組、一方では、市民レベルからの公共性のボトムアップな立ち上げというポジティヴな可能性を示しつつも、ヘタすると、行政による公的サービスの低下、(先日書いた)「リスクの個人化」を押し進めるネオリベラル政策の体のいい受け皿に転化する危険や、ボトムアップな公共性の萌芽を国家が上から回収し、ある種の動員体制に転化されちゃう危険があるのでは、という話だ。とくに後者に関しては、昨日の研究会では、番組のテーマがしばしば「防犯」とか、ヘタすると「相互監視・隣組社会」に転んじゃうような話もあったりするよね、ということが話題に上った。
10時過ぎまで続いた研究会を終えたあとは、四ツ谷の北口のイタ飯屋で晩御飯。いろいろ話に花が咲くうちに、いつのまにか時計は2時半に。たまたまみんな帰る方向が同じだったので、そのままタクシー拾って帰宅(私は妻の実家に帰宅)。

 

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