平和維持活動(PKO)で決定的に重要な抵抗勢力の武装解除を、ブラジル代表サッカー観戦でやってしまおうという、なんともピースでノン・バイオレントな「作戦」の話。サッカー王国という「国柄」を活かしたこんな国際貢献もあるんだなぁ。。
「武器渡せばサッカー無料観戦」、ハイチで異色の作戦 (CNN)
2004.07.02 Web posted at: 15:35 JST – REUTERS
ブラジリア(ロイター) 「武器を渡せば、サッカーの王者ブラジル―ハイチ戦の観戦チケット、あげます」。ハイチ国内の国連平和維持活動に参加しているブラジルがこのほど、国内の反政府勢力の武装解除対策の一環として、こんな企画を立ち上げた。
試合は8月18日、ブラジリアでの開催を予定しており、1週間前からチケットとの「交換」を始める。
ブラジル代表のスター選手、ロナウド、ロナウジーニョはこの試合で、ハイチ側のチームに入って戦うことに意欲を見せているほか、ブラジルのルア大統領も観戦する可能性もあるという。
ブラジルサッカー連盟のリカルド・テイシェイラ会長は「(ハイチ代表への参加は)ロナウドが自ら考えたもの。監督も、その意思を尊重している」とし、「ハイチでの戦闘を終わらせるためには、すべてのブラジル人が協力しなければならない」と話した。
この「サッカー外交」は、ハイチのラトルチュ首相が提唱者。サッカーが人気スポーツなのに加え、ブラジル代表を応援する国民が多いのを受け、首相は、何千人もの平和維持軍を派遣するよりも、ほんの数人のサッカー選手の方が、反政府勢力の武装解除にはるかに役立つと思ったのがきっかけだという。(後略)
この作戦の結果、どれくらい武装解除が進むのかは分からないけど、こういうユーモアというのは、こわばった人たちの心を和ませたり、目には見えないけれど、なにか根本的なところでの変化を波及効果としてもつような気がする。目に見える成果もあがっちゃったりすれば、人間ってやっぱすごいなぁ、と、人間の可能性を信じさせてくれる力強い「奇跡」の物語――奇跡とはなによりも人間がなす業だからこそ尊い価値をもつ――になるだろう。
これに比べると、「国際貢献イコール軍隊出すこと」としか考えられない茶色い日本の政治家たちのイマジネーションの貧困さが際立ちます。