はなゆーさんのとこのエントリー「東京・中野で「君が代」強制批判のPTA会長が辞任に追い込まれた」で知ったニュース。
「君が代」強制批判のPTA会長、辞任に追い込まれる (ミラー)
東京都中野区の小学校の今年度のPTA会長が、迷いながらも、疑問に思っていたことを就任直後の入学式のあいさつで口にした。日の丸・君が代問題に触れ、教育現場への押しつけはおかしい、と話した。非難の嵐の中、会長は辞任に追い込まれた。「お子さんがいじめられるかもしれない」と地域の代表に言われ、校長の求めで辞表まで書いた。
サイテーだな、辞任に追い込んだやつら。とくに「お子さんがいじめられるかもしれない」という地域の代表とやらのセリフは、ただの893の脅しじゃん。あんたらみたいなのが子供にけしかけて、この会長の子供をいじめる以外に、「お子さんがいじめられる」なんてことはまず起こりそうにないんですけど。品性マイナス無限大だな。よってたかって一人の人間を「イジメ」ているとこ、それぞれの顔アップでビデオにとって、自分で見たらどうだ?それで吐き気も恥も滑稽さも感じないとすれば、人間終わってるよ。
ついでにいうと、PTA役員のなかには「PTAは真っ白であるべき」といって会長さんを批判したオッサンだかオバサンがいたというが、「白」という光の色は、あらゆる波長、あらゆる色が均等に混ざり合った状態、「白」イコール「無色」じゃなく「多様な色の共存」なんだが(ホワイト・ノイズもおんなじこと)な。
ところで、以前、ここでも簡単に触れた、君が代強制を批判して家宅捜索されちゃった先生をはじめとする一連の君が代強制問題に対しては、国際人権保護団体のアムネスティ・インターナショナル日本が「強い懸念」を表明している。
アムネスティ・インターナショナル日本「君が代」斉唱の強制に強い懸念を表明
アムネスティ・インターナショナル日本は、2004年6月8日、君が代の斉唱に関して、生徒を起立斉唱させるよう指導することを教師に義務付ける職務命令を出す旨を東京都の横山教育長が都議会で発言したことに対し、強い懸念を表明する。 (後略)
アムネスティは、今年2月に、東京立川の自衛隊宿舎に、自衛隊イラク派遣反対のビラをまいた運動家3人が「不法侵入」の罪で逮捕・拘留されたことに抗議して、この3人を日本で初の「良心の囚人」と認定している。サヨが嫌いな小生ですら、これは当然の認定だと思う。なにしろ、宅配ピザ屋のチラシ配りは逮捕されないのに、彼らだけが逮捕されたのは、明らかにビラの中身が問題とされたからに他ならないからだ。それは端的に思想・信条の自由と表現の自由の侵害である。
ちなみに、今朝の朝日のニュースには、こんなのもあった。
人身売買、日本は「監視対象国」 米国務省の年次報告
米国務省は14日、世界の人身売買の実態をまとめた年次報告書を発表した。その中で、人身売買を防ぐための法整備や被害者保護が「最低限の基準を満たしていない」として、日本を3段階評価の中間にあたる「分類2」に指定。そのうえで今後1年間に必要な措置を講じるかどうかを見極める新設の「監視対象国」に挙げた。米政府の制裁対象となり得る最低の「分類3」には北朝鮮やミャンマー、スーダンなど10カ国を指定した。
報告書は、131カ国・地域を対象に売春や強制労働などをめぐる人身売買について調べ、各国の取り組みが最低限の基準を満たしていると認定した25カ国・地域を最高の「分類1」とした。基準を満たす努力もしていないとした10カ国は最低の「分類3」に、その他の国々を「分類2」に指定した。分類2の中でも分類3に転落する危険性があるとして、日本を含めた42カ国を監視対象国とした。分類3の10カ国は、3カ月以内に改善措置を取らなければ、人道支援を除く援助の打ち切りといった制裁が科される。
主要8カ国(G8)の中で監視対象国に挙げられたのは日本とロシア。リストに含まれていない米国を除いた他の5カ国は、いずれも分類1に指定された。
他の監視対象国は、タイ、ベトナム、フィリピン、パキスタン、インド、ジンバブエ、ギリシャ、メキシコ、ペルーなど。
ときに他国のとの関係や国際平和を犠牲にしてまで優先される最も親密な(とこちらは思ってる)同盟関係にある国から、こんな評価を食らうというのは、なんとも屈辱的ではないか?しかも、「分類2」といっても、「3カ月以内に改善措置を取らなければ、人道支援を除く援助の打ち切りといった制裁が科される」分類3に「転落する危険性がある」監視対象国扱い。イラク人質バッシングに対しても、ワシントン・ポストやル・モンドが日本の人権意識の低さ(つーか反人権性?)、封建的体質をあてこすった論説を出していたが、ついに同盟国政府からの「お墨付き」までもらってしまった。君が代強制したり、強制に反対した――必ずしも「君が代」そのものに反対しているわけではない――教師たちの大量処分やってるやつらも、日本の反人権的体質を具現し、世界に知らしめるものとして、国辱者以外の何ものでもない。君が代強制こそ反愛国的だというわけだ。
ところで、上のニュース・ソースを探していたら、こんなのもあった。
「個人尊厳行きすぎて、生徒が殺し合い」 平沼前経産相
平沼赳夫前経産相は14日、大阪市内で開かれた亀井派所属国会議員のパーティーで講演し、教育基本法改正の必要性を強調する中で、「教育基本法では個人の尊厳が強調されている。日教組の教育とあいまって、個人の尊厳が行き過ぎて教室破壊が起こり、生徒同士が殺し合いをする荒廃した状況になってきている」と述べた。
「個人の尊厳の強調」と「生徒同士の殺し合い」のあいだに単なる相関関係ではない因果的関係が成り立っているという科学的データでもあるんだろうか?大臣ともあろうお方、そのくらい踏まえていってるんでしょうね???むしろ、教育の現場が「凶育」の場となり、個人の尊厳を抑圧し傷つけてばかりだからこそ、子供たちが窒息しそうになって心を病んでしまうんじゃないのか?
このまえの「元気な女性」発言といい、こういう非科学的な「論理の単純化の暴力」=オヤジ放談というのは始末に負えんな。
きっと、こういう輩に限って、汚職など公益に反する自らの私利私欲に走った行為――それは政治家という「公人」の立場だからこそ可能な悪徳である――に対するメディアの追及を、「個人情報ですから」とかいって必死にかわそうとするんだろうね。そういう意味で、彼らの頭の中では、「個人の尊厳の尊重」イコール「私利私欲の追求」なのだろう。納得。