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更新情報

2002/12/11

Worksに、昨夜キャンパスプラザ京都でやってきた大学コンソーシアム京都特別講座科目「生命倫理」第11回の講義のプレゼン・ファイル「生命は誰のものか―医薬品・生命特許の『南北問題』」(PDF102KB)をアップ。ちなみに昨日は久々にハードな一日だった。ここのところ予防原則についてとある原稿を書いていて、この講義の準備を開始したのが月曜の夕方。夜中自宅のPC(デスクトップ)がハングって、資料メモがおじゃんになったりで、結局、準備が終わったのは朝の7時。その後、朝風呂したあと、朝10時から、韓国カソリック大学のSTS研究者のLee, Young-Heeさんの訪問があるので、そのための資料準備をし、12時半くらいまでLeeさんとディスカッション(これはとてもとても楽しかった)。その後雑用を少し片付けて昼飯食べて、2:45からのゼミの準備。ゼミ終了後は、4:30から科学文明論の講義を5:40までやって急遽チャリを飛ばして京都駅前のキャンパスプラザの講義へ。さすがに夕食後は疲れてそのまま朝5:30まで就寝。快適な目覚めを迎えて、今これを書いているところ。今日は予防原則の原稿仕上げなくっちゃ!

2002/12/6

前回ここの更新情報を書いてからほとんど一ヶ月経ってしまった。その間、11月16-17日には科学技術社会論学会(STS学会)第1回年次研究大会があり、月末の27日から12月2日までは、ウィーン大学で開かれた国際会議Envisioning Scientific Citizenship: Science, Governance and Public Participation in Europeに参加。その約二週間前に、会議の主催者とSTS学会年会実行委員長との「密約」により、急遽その会議で日本の予防原則を巡る状況について報告することに。とはいえ、他にもいろいろ仕事が重なり(たとえば小生が管理しているSTS学会のwebsiteの英語ページの作成・立ち上げとか)、ネタと資料は揃えてあったものの、オファーされた正式なタイトルを知ったのが会議の一日目(つーか、本人が知らんところでタイトルが決まっていた)で、その夜徹夜で原稿とパワーポイントのファイルを準備。中身はほどほどのものができたけど、質疑応答がいかんかった。徹夜のせいで脳みそが死んでて、後から、同行した日本人参加者から確認したところによれば至極簡単(しかし本質的で重要)な質問にちゃんと答えられんかった。おまけにその後のほかの人の発表も、集中力を欠いて途切れ途切れにしかようわかんなかったし。やっぱ、少なくとも英語で発表する時は、前の日はちゃんと寝ないといかん(それといよいよ本格的に英語をbrush upせねばならん)という久々に痛い教訓になってしまった。ちなみに三日目は睡眠たっぷり気分爽快で集中して話が聞けて、殊のほか面白かった。質疑応答をきっかけに、ウィーン大学のサイエンスショップの代表者と懇意になれたし、収穫大。また、会議の講演者の一人で、この分野(「一般市民の科学技術理解(PUS)」やリスク論についての批判的研究)の代表的研究者であるBrian Wynneともわずかながら議論する時間が持てた。彼の話は、彼が欠席した二日目に小生が話した内容と重なる論点がたくさんあって、発表原稿の体裁を整えたものを後日送ることになった。しかーし、帰国すると早速、講義の準備やら、ほんとは11月30日締め切りの某雑誌の原稿書きもあったりで、体裁整えは亀の歩み。来週は火曜に、講義とゼミのほか、午前中は韓国のSTS研究者がインタヴューに来るし、夜はコンソーシアム京都で講義があるので、それらの準備もしなきゃならん。なんとか週末のうちに原稿だけは仕上げねば、という調子で、文字通り「師走」という今日この頃。この前はゼミで「スローライフ/スローフード」の話をしたけど、言ってる本人はちっともスローじゃない(仕事はスローか。。。)というのは悲しいところ。

で、更新情報ですが、STS Events & Informationに、12月15日にキャンパスプラザ京都で開かれるヨハネスブルグ・サミットからの出発〜次の10年を見据えて NGOオープンフォーラム(京都)の案内へのリンクを追加しました。

2002/11/9

ようやく共著本『公共のための科学技術』(小林傳司編,玉川大学出版部,3500円)と、科学技術社会論学会の学会誌、『科学技術社会論研究』第1号―「科学技術と社会」を考える(玉川大学出版部,4400円)が刊行されました。ちなみに後者は今日、自宅に届いた(現物は先週の学会の理事会で見た)のだけれど、前者はまだ手元にない。たぶん大学に届いているはずなのだけど、木・金・土と言ってないので不明。学会誌も書店販売されますので、みなさん、ぜひ買おてやぁ〜

STS Events & Informationに、STS Network Japan2002 冬のシンポジウム「ユニバーサルデザインの可能性」(12月21日@東大先端研)へのリンクを追加。

先月の15日以来、更新情報がストップしてましたが、この間に来年度の3回生のゼミ生が確定。なんと20人の大所帯。う〜ん、ゼミ(とくに飲み会)が大変だ。。。まぁ、みなさん、楽しく元気に(厳しく)いきましょう!

ここのところ京都もすっかり寒くなって、今日は、たぶん北のほうだと思われるが京都市も初雪だったそうな。たしかに昼間、犬の散歩してる時、北のほうがどんより暗い雲がかかっていました。ちなみに月末はウィーン出張だが、きっともっと寒いに違いない。。。

2002/10/15

STS News & Remarksに「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」を追加。たいていこのコーナーは「です・ます」調で書いていますが、今回は「だ・である」調になってしまいました。ちょっと頭が論文モードかも(といっても書いているのは英文なのだが・・・)。

2002/10/13

STS Archive(資料庫)に、「GMOに対する一般市民の認知に関する10の神話」を追加。これは、欧州における農業バイオテクノロジーに関する一般市民の認知の調査(Public Perceptions of Agricultural Biotechnologies in Europe: PABE)の最終報告書から、(一般市民ではなく)政策立案者や科学者が囚われやすい「10の神話」の分析の部分を抜粋要約したものです。「10の神話」のなかには、「一般市民がGMO(遺伝子組換え生物)の利用に反対するのは、彼らが科学的事実に無知であるからだ」とか、「一般市民はゼロリスクを要求しているが、これは不合理である」とか、日本でのリスク論争でもしょっちゅう見聞きされるものがたくさん含まれており、それらが、いかに事実に基づかない「神話」であるかが論証されている。

2002/10/7

STS Archiveに、「デンマーク調査報告書―シナリオワークショップとサイエンスショップに関する聴き取り調査」(PDF83KB)を追加。今年の3月に科学技術振興事業団の社会技術推進事業の研究プロジェクト「開かれた政策形成支援システムの開発」で行った調査の報告です。

また昨日は、STS Events & Informationに、国際会議Envisioning Scientific Citizenship: Science, Governance and Public Participation in Europe(11月28-30日)の案内へのリンクを追加。これは欧州のSTS研究者による共同研究プロジェクト"Optimizing Public Understandin of Science and Technology (OPUS: 一般市民の科学技術理解の最適化)"の会議です。日本からも小生も含めて何人か参加する予定。ウィーンは2年ぶりですが、「ホイリゲ」が楽しみ(^^)

2002/10/1

来年度の演習3のゼミ紹介と、ゼミ希望者のための相談用掲示板を開設しました。希望者の皆さん、活用してください。ちなみにゼミ紹介は学外から自由に閲覧できますが、学生のプライバシー等を考慮して掲示板はパスワード制限をかけてあります。

2002/09/27

「科学文明論の部屋」に、第1回のレジュメと資料をアップ。

2002/09/22

ここ数日で、日本語トップページのレイアウトを変更したほか、サイト内のいくつかのディレクトリーの変更をしました。旧ディレクトリーのファイルからは新ディレクトリーへ自動的にジャンプできるようになってます。

また後期の演習2のために演習2の部屋を開設しました。

ちなみに昨日はATTAC京都の月例学習会で、「有機農〜地域の自立か、世界貿易か〜」という話を聞いてきました。講師はNGO手づくり企画「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」の平賀緑さん。明後日から始まる演習2のゼミは、「食と農のグローバリゼーション」がテーマなので、ゼミ生予定者には「予習としてぜひ参加してね」と声をかけてあったのだけど、まだ授業開始前ということもあってか、ゼミ生参加者は2人でちょっと残念(お二人、ぜひゼミのときに報告してね)。

レクチャーのなかですごく興味をそそられたのは、「有機の意味」と、「有機のモノカルチャー」と「フードマイル」という二つの言葉。「有機(organic)」の意味については、「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」では、「水、土その他、農に必要なあらゆる要素を適切にオーガナイズ(organize)して生産・流通・消費することが、有機的(organic)ということが本当の意味である」としているそうで、たとえ自然農薬を使ったとしても、それは有機じゃないんだそうです。つまり、土壌が健全だったり、必要な要素がうまくオーガナイズされていれば、野菜が強くなったり、生態系の食物連鎖でうまくバランスされて、害虫はそれほど大きな問題にならないのだから、たとえ自然農薬であってもわざわざ農薬を使うあたりがすでに「歪んだ有機」というわけ(このあたりは「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」のHPを見てみてください)。

次に「有機のモノカルチャー」というのは、結局、有機農業っていっても、商社その他の大資本が手を出すと大規模化して、広大な農地に単一の作物をつくること(=モノカルチャー)になっちゃって、農薬をいっぱい使ったり、農地の生態系にとってかなり無理を強いる「歪んだ有機」になってしまうということ。要は、今までどおりの利益優先・効率優先の大量生産・大量消費システムを前提にした市場経済システムの「内側」に留まっているということです。

そして、農産物が生産されてから消費者のところに来るまでにどれくらい長い経路を通じてやってくるかを表わす「フードマイル」というのもそれと同じで、たとえば大規模生産してるアメリカとか、あるいは生産コストの安い第三世界で有機野菜を生産して、それを複雑で長大な経路を通じて先進国に運ぶというのがどんどん増えているんだそうです。そしてそれは、歪んだ有機である「有機のモノカルチャー」を拡大したり、途上国では、現地の人たちが自分たちの食べ物を作る農地を先進国の商社やアグリビジネスが買い取って(奪い取って?)、先進国向けの有機農産物の生産をやり、現地の人たちが飢えに追いやられるという有機以前の構造がそのまま引き継がれていくことでもあるわけです(しかも途上国には、まだ化学肥料や化学農薬で汚染されていない「きれいな農地」がたくさんあるので、「有機ビジネス」にとっては格好の餌食となっている)。さらに別の面では、フードマイルが長くなるにつれて、その分、輸送に伴う二酸化炭素の排出量も増大して地球温暖化の加速に寄与したり、燃料資源の浪費にもつながってしまうという「環境負荷」もどんどん大きくなっているそうで、工業製品ではすでに普及し始めてる「ライフサイクルアセスメント(LCA)」を、有機農業にも適用しないといけないということなんですね。

とにかく昨日は勉強になりました。後期のゼミでは、とりあえず、自分のとこの食卓にのぼる食べ物の「フードマイル」を調べさせることから始めてみようかな。

・・・と、ここまで書いたら長くなったので、続きも含めて、STS News & Remarksに転載しました。5月以来、久々の更新。

STS Archive(資料庫)に、8月の初めに英国ヨーク大学で開かれたEASST (European Association for the Study of Science and Technology)の会議で発表した"Politics of Framing in the GM Consensus Conference in Japan: How did the Publics Frame the Issues of GM Crops ?"の発表原稿 (PDF32KB)プレゼンファイルをアップしました。現在、この発表内容はフルペーパーとして執筆中。とりあえず、原稿依頼が来てるScience Communication誌で出版する予定。ちなみに今年はあと、予防原則について一つ(11月末締切り)、サイエンスショップについて一つ(年末締切り)、リスクコミュニケーションについて一つ(年明け締切り)、原稿を書かなきゃいけない(他にもあったっけ?)。その間、講義やゼミもあるし、うまく時間を使わないと厳しいことになるのは必至。

2002/09/13

早くもあと12日で後期授業スタート。ということで、「講義・科学文明論の部屋」をオープンしました。受講予定の皆さん、掲示板への書き込み、スタートしていいですよ(ユーザー名、パスワードは「科学技術と社会の部屋」と同じです)。

もう一つ、日本語トップのタイトル下の囲みリンク(Notice Board)にも更新マークがついてますが、小生がサイト管理している科学技術社会論学会(STS学会)のサイトを更新しました。更新は2点。一つは、年次研究大会(11/16-17)プログラムを公開しました。シンポジウム、ワークショップ、一般講演を合わせて80あまりの発表があります。

もう一つは、他学会・シンポ・研究会の開催情報に、第30回科学技術社会論研究会・ワークショップ「専門家/非専門家図式の再検討」(9月28日)のお知らせをアップしました。

2002/09/12

久々にこの更新情報ページを「更新」しようと思ってファイルを開いたら、なんと約4ヶ月も未更新でした。その間もちょこちょこリンク集や、トップページの外部リンクなどは更新してたのですが。。。ここんとこ、夏休み中も含めてあれこれ書き物仕事が詰まってて、それ以外では何も書きたくない状態だったのが原因。この秋も年明けまでのあいだに4本ほど論文書かなきゃアカンのでどうなるか分かりませんが、なるべくサボらないようにしよう。

で、今日の更新。日本語トップのタイトル下の囲みリンク(Notice Board)に、ATTAC京都九月定例学習会「有機農〜地域の自立か、世界貿易か」の案内へのリンクを追加。「有機農業」というとプラスのイメージばかりが先行するけど、実はそれが商売ネタとして広まるにつれて、社会経済的にはマイナス面が膨れてきている(たとえば「国際的な有機認証制度は先進国による途上国支配ともいえる仕組みになっている」)というお話だそうです。遺伝子組換え作物だけでなく、ここにも食と農をめぐるグローバリゼーションの深刻な問題があるわけです。前期の「科学技術と社会」、後期の「科学文明論」履修生、それからゼミ生はぜひ参加を!

ちなみに講師の平賀緑さん(手づくり企画「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」)主宰)は、実は同じ大学の出身だったりする。先月のATTAC京都の学習会では、平賀さんと小生、小生のつれあい、それから京大人類学の院生の春日君で、四人も同窓生がそろってしまった。まだ1万人ちょっとしか卒業生がいないというのに、なかなか面白い光景でした。

そうそう、My出身校は「英語ができる」というイメージのせいで、商社に就職するやつとか多くて、同窓会の会報なんかでもなんかそういうのをもてはやしてるような記事とか見るにつけ、「建学の理念」からいうと、明らかにそいつら理念に反してるよなー、教育の失敗例だよなー、という苛立ちを常に感じてましたが、この四人が集まった先月のATTAC京都学習会は、最近テレビや新聞でも度々取り上げられている「インドネシア・コトパンジャン・ダム被害者住民6000人によるODA(政府開発援助)訴訟」の支援者の方のお話でした。日本のODAによるダム建設で生活と環境を破壊された人々による日本政府相手の訴訟なんですが、こういうずさんなODA開発というのを立案して仕切ってるのが、商社やその周辺のコンサルタント会社だったりするんですよね。先日も三井物産の社員がODAがらみでネパールの政府関係者に賄賂、なんていうニュースがありましたが、要は、商社やコンサルが日本のゼネコンやその他の会社のために超テキトーに開発の立案をして、その対象国の政府の人間には賄賂をつかませて書類にサインをさせ、日本政府に発注するというのがしょっちゅうあって、インドネシアのコトパンジャン・ダムもその一例なんです。最近は、鈴木宗男クンのおかげでODA問題がニュースネタになってくれて、それで今回の訴訟もスポットがあたりやすくなっているのでしょうが、とにかくつい先日初公判を終えたばかりのこの裁判、うまくいってくれることを願います。

2002/05/20

リンク集東海地震と原発震災問題に、ちょっと関心をもってみよう会(略称:ちょっとみ会)「お願い!止まってて!浜岡原発、東海地震が過ぎるまで」へのリンクを追加。ほんと、止めとかないとやばいよね。これこそ「有事」として「備えあれば憂いなし」のはずなんだが、コイズミくんは、所詮は「米軍支援法」(米軍が「悪の枢軸」に戦争しかけるのを自衛隊がスムーズにお手伝いし、さらにこれを国家総動員的に民間に協力させるための法律)にすぎない有事法案成立にかまけてる。日本の、そして世界のためを考える本物の「保守」政治家はいないのか!?

トップページのSTS Events & Informationのコーナーに、STS Network Japan 夏の学校2002「理工系大学教育の現在(仮)」(8月16〜18日)と、Public Perceptions of Agricultual Biotechnology inEurope (PABE:「欧州における農業バイオテクノロジーの公衆認知」プロジェクト)へのリンクを追加。後者は、欧州五カ国(イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア)の一般市民を対象にした調査。「一般市民が遺伝子組換え作物に否定的なのは、彼らが科学技術に無知で、情緒的に反応しているからだ」など、政策立案者や専門家がもちやすい見解が、実は「神話」であることを示してて興味深い。

2002/05/5

STS News & Remarksに「ユージホーセー、もう「徴用」は始まってる・・・」を追加。ちょっとゾッとしますよ、ユージホーセーのリアリティに。

「ユージホーセーって何?」って人は、とりあえず「NO WAR! ユージホーセープロジェクト」や、YUJI * STORY へ。

2002/05/4

グローバリゼーション/WTO関連の「国内のNGO」のところのグローバルヴィレッジ(フェアトレード)のところに,その事業部門People Tree(フェアトレードカンパニー株式会社)と,そのなかの全国のフェア・トレード・ショップへのリンクも追加。京都には,百万遍に一つ(Ethnic Interior & Fair Trade シサム工房),大阪にもいくつかありますね。シサム工房さんには,ぜひATTAC京都(詳しくはこちらを参照)に参加して頂かねば!

2002/05/1

Worksを更新。現在印刷中の論文や著書など。

先週末、東京に連続出張して帰ってきたら、原因不明(たぶん過労?)の熱と体の痛み・だるさで一昨日と昨日は寝たきり状態。予定していた書き物作業が進まず、先行き心配。今月は、6月末にベルリンで開かれるワークショップ「科学と民主主義」の発表論文と、来年8月にイスタンブールである第21回世界哲学会議の発表論文を書かなきゃいけない。論文が査読にパスすれば、後者は98年のボストンでの会議に続いて二回目の参加になるが、イスタンブールということなので、なんとか論文は出しておきたい。。。

先週末の出張先の一つ、ATTAC Japan (首都圏)主催の「スーザン・ジョージ著『WTO徹底批判!』出版記念―スーザン・ジョージと反グローバリゼーション運動を考える集い」は、老若男女合わせて140名近くも参加者がありました。主催者も言ってたけど、NHKスペシャルの新シリーズ「変革の世紀」第1回「国家を超える市民パワー 〜国際政治に挑むNGO〜」が、フランスのATTACを正面から取り上げたのが効を奏したみたい。番組では日本のATTACについては一言も触れられなかったのだけど、きっとネットで検索して発見されたんでしょうね。実際、番組終了直後からウチのサイトのATTAC関連のページのアクセスが急上昇しましたし。(ちなみにGoogleで「グローバリゼーション WTO」で検索すると、なぜかウチのグローバリゼーション/WTO関連のリンク集がトップでヒットします。他にもっと重要なページがあるだろうに・・・)。

2002/04/20

小生にとっては二冊目の共著本『科学論の現在』(金森修・中島秀人編著,勁草書房)が4月24日に発売となります。3500円です。(日本語トップのNotice Boardのところに、Javaでスクロール広告してしまいました。)思い返せば最初の企画から約3年半、最終的な原稿が上がってからも1年以上経っての漸くの刊行です。今日は、見本が大学に届いている予定だったので、チャリを飛ばして取ってきました。なかなか素敵な装丁です。初版1500部といういかにもアカデミックな出版数ですが、売れないかなぁ。。売れて欲しいなぁ。。。どうぞ買ってやってください。はっきり言って、面白いです(「まえがき」の中島さんと「あとがき」の金森さんの言ってることが正反対とか・・)。以下は目次と帯の言葉です。

目次

 まえがき (中島秀人)

第I部: 科学論の理論的基礎

 科学知識の社会学 (金森修)
 実験室の人類学: 実践としての科学と懐疑主義批判 (平川秀幸)
 テクノロジーの社会的構成 (中島秀人)

第II部: 科学論と社会のインターフェイス

 科学教育: ほんとうは何が問題か (杉山滋郎)
 科学コミュニケーション: 専門家と素人の対話は可能か (小林傳司)
 科学政策論: 科学と公共性 (藤垣裕子)

第III部: 科学論の最前線

 論争する科学: レギュラトリーサイエンス論争を中心に (中島貴子)
 実験装置の科学論: クーンは乗り越えられるか (綾部広則)
 科学のカルチュラル・スタディーズ (金森修)

 あとがき (金森修)

帯(前)

トマス・クーン以降の科学論を総括し、21世紀を展望する。
先端医療や環境問題など現代の科学と社会をめぐる問題群は、体制対反体制、加害者対被害者 の単純な対立図式だけではわりきれない。科学の相対化をめざす科学論から社会的な意思決定の場に貢献する 科学論へ。

帯(後)

・・・本書第I部では、90年代までの科学論が英米系を中心に総括され、第II部、第III部の双方では、その動きを受け止めた上で、日本の科学論が進むべき方向を模索しようとしている。そこを通底する問題意識は、科学論を、現実問題との対応で改鋳しようということである。クーン以降遂行されてきた科学の相対化は、科学が過度に神聖視されていた戦後の状況に対する批判としては有効であった。しかし、その見方が・・・無批判に受け入れられるようになると、科学と非科学、合理と不合理の境界がないかのような思想状況を作り出してしまった・・・・・・過去の科学論の成果の学ぶべき部分は取り入れながらも、学問としての再構成が求められている。(まえがきより)

ちなみに今年は、それぞれ二章ずつ小生が書いている共著本があと二冊出る予定です。一つは主に大学院生向けテキストを意識した『科学と公共性』(藤垣裕子・小林傳司編著、玉川大学出版会、7月刊行予定)、もう一つはもっと一般受けを狙った『ハイテク社会を生きる』(調麻佐志・川崎勝・平川秀幸編著、北樹出版、今秋刊行予定)です。後者は『パラサイト・イヴ』その他の著者・瀬名秀明氏も書いています。乞うご期待!!

2002/04/13

前の更新情報から今日のまでの間、日本語トップ頁のデザイン変更も含めてあちこち更新していたのですが、ついつい億劫で、更新情報を書いていませんでした。とりあえず今日は、基礎演習1の部屋を公開しました。

本当は、STS News & Remarksに、今月初め発表された農水大臣・厚生労働大臣の私的諮問諮問委員会――BSE調査検討委員会――の報告話とか、小生の出ていた経産省の遺伝子組換え生物小委員会の中間報告書の話とか、いろいろ書いておきたいネタはあるのですが、新学期早々ということもあり、どうもまとまった時間が取れません。そのうちなんとかしたいと思います。

2002/03/27

昨夜になりますが、東海地震と原発震災問題を追加しました。この問題は、3年前に、当時岩波書店の『科学』の編集者だった林衛さんの誘いで傍聴した旧科技庁で開かれた浜岡町の住民グループと科技庁との討論会以来、ずっと注目していたものでしたが、先週末のSTS Network Japan 2001年度 春のシンポジウム『STSから考える市民運動』でパネリストをされたたんぽぽ舎の柳田真さんの話などを聞くうちに、やっぱりこれは広く世間の目に触れなくちゃという思いからです。ほんと東海地震は差し迫ってきてますから、これはもう今すぐそこにある危機です。

サッカー日本代表、ポーランドに2−0で完封勝利。めでたい。

2002/03/14

STS News & Remarksに「コペンハーゲンから」を追加。10日の日曜日からコペンハーゲンに調査旅行できてます。こちらの時間で今日の午後の便で帰国します。

街中で二人ほど、犬連れのホームレスの人を見ました。ついつい反射的にポケットのなかの小銭をあさり、"For your dog"といって渡してしまった。今日会ったほうはおじいさんと2匹の組み合わせで、驚いたようにこちらを見上げる犬の瞳がやけに印象的でした。

2002/03/8

Worksの口頭発表のところに、月曜日の「サイエンスショップ―市民をエンパワーする専門性」北大公開シンポジウム「テクノエシックスの現在」(3月4日)予稿)と、今日の統計数理研「エビデンスの質の高さと社会における利用」での発表資料を追加。

今日の発表準備は結局徹夜になってしまい、いつもなら、ここんとこ「走るオフィス」と化している新幹線では行きも帰りも熟睡してしまった。なんとか明日中に原稿を仕上げねば。

妻が風邪(もしかしたらインフルエンザ?)をひいてしまい、明後日からデンマークに行かねばならない身としてはなんとも心配。最悪の場合はキャンセルか?

2002/03/7

STS Events & InformationSTS Network Japan 2001年度 春のシンポジウム『STSから考える市民運動』(3/23)研究発表会(3/24)を追加。

先週水曜日から今週火曜日にかけてのSTSイベント・ウィークのための東京・札幌出張プラス原稿書きその他による睡眠不足(平均3時間?)で、すっかりバテバテ。昨日は大事な委員会があって、出席すべく一昨日深夜に帰ってきたものの、起きられず超自己嫌悪。。。今日も午後に市役所に行ったりしたが、帰ってくるなり寝てしまった。とはいえ明日は統計数理研「エビデンスの質の高さと社会における利用」で喋んなきゃいかんし、日曜からはデンマークに出張。ゆっくり寝れるのは飛行機の中か!?(とはいえ、しがないエコノミー席。ルフトハンザにしておけば、Unitedのマイルでビジネスにアップグレードできたのにと今更後悔。かくなるうえは「気分悪いんですぅ〜」でいい席をもらうしかないか?ほんとに気分悪くなるかもしれないし。)

ちなみに、原稿が上がったのがほぼ一年前で、校正が終わってからも半年以上がたった共著本『科学論の現在』が、やっと4月20日に出ると編集者から手紙がきた。これでなんとか次の共著本(7月発売予定)より早く出ることになりそう(苦笑)。

2002/02/22

STS Events & Information統計数理研「エビデンスの質の高さと社会における利用」(3月8日)へのリンクを追加。「「予防的アプローチ」のリスク論:社会学的な観点から」というお題で喋る予定です。その翌々日からはデンマークに調査旅行なんだけど、準備は間に合うか!?

2002/02/20

STS Archiveもくじ)に、「サイエンスショップ―市民をエンパワーする専門性」北大公開シンポジウム「テクノエシックスの現在」(3月4日)予稿)を追加。

日曜からの連続出張3日目の昨日は、朝10時から経産省の審議会。生物多様性条約バイオセイフティ議定書の国内担保法で、AIA(事前通知合意)やリスク評価の対象に、議定書で義務化されている意図的に環境に放出する開放系利用だけでなく、議定書で締約国の権利とされている「コモディティ(加工品用のもの)」まで含めるかどうかを議論。結果は全員一致で「含める」。何故って、開放系利用とコモディティは実質的に区別できないから。たとえば事務局の方が挙げた例では、加工用の菜種を積んだトラックが往来する道の両脇は、春になるときれいな黄色い花が咲くのだとか。要するに「漏れちゃう」わけです。また「閉鎖系利用」のものについては、関連する法制度全体を整備することで対応するということに。あと、担保法の対象を、遺伝子組換え生物(GMO/LMO)だけにするか、別の技術で新規に生み出された生物一般まで含めるかどうかは、少々議論が分かれました。大勢は、「安全確保を第一とし、かつ、遺伝子組換え技術というプロセス固有の危険はなく、プロダクトごとにリスクを判断するという考えからすれば、新規のもの全体を対象にするのが合理的」という意見(小生もこの立場)。ただし、こうしちゃうとWTO(世界貿易機関)の協定と抵触する恐れもあったりするからややこしい。「特別法は一般法を破る」という法原則があるため、GMOの国際移動を対象にした議定書は、GMOだけに限定して担保法を運用する限りはWTOと整合的だけど、GMO以外まで含めて運用した場合には、WTOでの紛争解決プロセスで正当化できないケースが出てくる恐れがあるからです。だから、非GMについては既存の法体系で対応して、議定書担保法はGMに限定しておくというのが、現実策となりそうだけど、その一方で、WTOに訴えられるケースはそんなに多くないはずだから、ビビることもないのではという意見も。あとメーカー関係の委員の方からは、「非GMを対象外にすると、仮にGMより危険なものでも非GMに企業がシフトしてしまう恐れがあります」という指摘も。

ちなみに霞ヶ関は、そこここに日米の旗が電信柱などに立てられてました。帰りの新幹線の中での電光ニュースで知ったのだけど、今日の昼過ぎまでブッシュ君は、お隣の永田町(国会議事堂)にいたのね。場合によっちゃ、テロに巻き込まれる、もしくはすぐ近くで目撃しちゃう危険もあったわけだ(苦笑)。

2002/02/13

STS Events & Information科学技術政策研究所(NISTEP)国際シンポジウム'02関連行事(2月26日-3月4日)へのリンクを追加。このうち、26日のワークショップは私が申し込み先ですので、どうぞ申し込んでください。

一昨日の前夜式@名古屋では、式が終わって外に出ると小雪がちらちら。空を見上げ、よーく見ると動かない白い点がいくつか・・・と思ったら星でした。星空から降ってくる小雪。大学時代はずっと照明委員会で舞台の裏方に徹していた彼女に、最期に神様の粋な演出だろうか。そーいえば、ロッキーの楽日の夜も雪が降ってたね、と当時のスタッフとしんみり。思い出せば、インカムからの彼女の声がすぐ耳元に聞こえてくる。

2002/02/10

「科学文明論」レポート提出者リストを作成。心配な人はどうぞ確認を。

昨日、大学時代の友人がガンで他界した。明日は前夜式(キリスト教式の通夜にあたる)に、彼女の実家のある名古屋に行く予定。場所を調べてみたら、昨日行った名古屋大と同じ方面の電車に乗ることになる。

彼女は、小生が大学二年のときに出演した「ロッキー・ホラー・ショー」というロックミュージカル(学内企画・学内公演だったけど、3日間で1,100人以上が見に来てくれた。未だ破られていないICU史上最大の観客動員数)のときのステマネ(ステージマネージャー)で、小生はいっぱい怒られ、いっぱい励まされた。

最後に会ったのは、彼女が乳ガンを克服した後で、たぶん小生の結婚式のときだったと思うけど、実はその後もずっとガンは消えず、7〜8年もの長い間、ガンと共生してきたのだ。なんでもやたら前向きな性格だったので(確かにそういうキャラでした)、病気の進行がやたら遅かったのだそうだ。普通、30歳台のガンなんて、あっというまに進行して、発見されたときはもう手遅れで余命数ヶ月なんていうのが当り前なのだが、う〜む、O-chan(彼女のニックネーム)、あなたはやはりあなたでした。彼女が天に召されたことは哀しいことなのだけど、その事実は、彼女の生き方そのものを表しているようで、なにやら勇気をもらったような爽快さすら感じてしまっています。こんなにも鮮やかな生の記憶を友人たちに残せるなんて、O-chan、あなたはなんて素晴らしい!!

2002/02/08

トップページのSTS Events & Informationに、内閣府・総合科学技術会議「平成14年度科学技術振興調整費 新規課題等の募集開始時期について」のプレスリリース(文科省のサイト)へのリンクを追加(大元の総合科学技術会議の文書は「平成14年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方(平成14年1月30日総合科学技術会議決定)」(PDF形式))。先週の経産省の研究会「社会と技術研究会」で教えてもらったもので、とくに「平成14年度に継続して実施するプログラム」のなかの「1 優れた成果の創出・活用のための科学技術システム改革」の「1−3 科学技術政策提言」が要チェック。

これに関連して、STS News & Remarksに「科学技術とガバナンス: 日本と欧州の動向」を追加。

2002/02/04

米国のテロ報復攻撃を止めようリンクの「アフガニスタン情報」に、フォトジャーナリスト・広河隆一さんの緊急ウェブ写真展「アフガニスタン 死にゆく子どもたち」へのリンクを追加。僕が彼を始めて知ったのは、『週間少年マガジン』に掲載されたチェルノブイリ事故で被曝した子供たちについてルポ・コミックでした。

2002/02/03

STS News & Remarksに「グローバリゼーションに関する世界世論調査」と「よりによって順子(よりこ)ちゃん!?」を追加。

2002/02/02

STS News & Remarks米国のテロ報復攻撃を止めようリンクの「テロとその報復について思うこと」に、「露骨な「国益(石油企業利権)」追求のブッシュ政権」を追加。

2002/01/30

Worksの「口頭発表」のところに、「レギュラトリー・システムの科学的正当性と社会的正統性を高めるには」(経済産業省大臣官房政策企画室 & 独立行政法人製品評価技術基盤機構「社会と技術研究会」報告,2002年1月29日,経済産業研究所)と「遺伝子組換作物の何が問題か」(PDF180KB)(ATTAC関西グループ第2回学習会「遺伝子組換作物の何が問題か」,2002年1月20日,スペースAK)を追加。ある意味、とても両極端な場所で喋ってるなぁ(笑)。

STS News & Remarksもやっと1月のページを作成。でももう2月ですね。

2002/01/21

トップページのSTS Events & Informationに、科学技術政策研究所 国際シンポジウム '02「21世紀における科学技術システムの再構築と科学技術政策の新しい役割 」(2月28日・3月1日)北大公開シンポジウム「テクノエシックスの現在」(3月4日)の案内へのリンクを追加。

2002/01/16

グローバリゼーション/WTO関連(農業・貧困・途上国債務問題)のリンク集をアップ。

2002/01/15

科学文明論の学期末レポートについてをアップ。受講生の皆さん、がんばってね。

米国のテロ報復攻撃を止めようリンクの「意見・分析」のところにル・モンド・ディプロマティーク (日本語サイト)の関連記事を追加。その他整理しました。

日本語トップのSTS Events & InformationとNotice BoardのところにATTAC関西グループ第2回学習会「遺伝子組換作物の何が問題か」(1月20日)へのリンク追加。喋るのは小生と、小生の大学の後輩でもあり、京大の人類学の大学院生の春日匠氏。春日氏は、小生らがやっている科研費プロジェクトの遺伝子組換え作物の調査で、昨年秋にインドのヴァンダナ・シヴァのところに行ってきました。彼女が主催しているインドの伝統的種子・農法回復の運動「ナブダーニャ(Navdanya)運動」などの映像を交えた報告があります。(ナブダーニャ運動について詳しくは、シヴァ主宰のResearch Foundation for Science, Technology and Ecologyのサイトをどうぞ。)

ちなみに今日の昼食では、パンケーキに、春日氏がお土産に買ってきてくれたナブダーニャ運動で生産されたハチミツをかけて食べました。香り良く、コクのある美味しいハチミツでした。

2002/01/08

遺伝子組み換え作物関連にいろいろ追加。たくさんあったので、いちいちNEWマークはつけませんでした。

日本語トップもX'mas仕様からやっと変更。暮れも正月も締め切りすぎた原稿に追われ、手つかず状態でした。正確な時期は不明ですが、編集作業が順調に進めば、春過ぎには共著本が二つ出ます(それぞれ二章ずつ書いてます)。一つは大学1, 2年向け、もう一つは大学4年くらいから大学院生向けのもの。そういえば来月には、ずーーっと遅れていた共著本『科学論の現在』(勁草書房)も出ます。この三冊で、入門的なものから学説誌も含めた研究志向のものまで含めて、日本語で読めるSTS関係の書籍がだいぶ充実します。

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