4月27日に大阪高裁で出された、国や熊本県の行政責任を認めた「大阪水俣病訴訟問題」の判決に対して、5月11日に環境省は法務省との協議の結果、最高裁への上告を決定しました。果たして国・県の側の上告の根拠には、どれだけの科学的・政策論的・社会的な合理性があるのか?ただひたすら役人のメンツの死守、行政の無謬性神話の擁護という「霞ヶ関の合理性」以外のすべての合理性をかなぐり捨てて、裁判の長期化で不当に被害者を苦しめ痛めつけるだけの反人道的な不当な対応ではないのか。原告側の主張や高裁判決の論拠と突き合わせて、STS(科学技術社会論)の問題としても、厳しく検証してみる必要があります。
実際、今回の上告において問題となっている争点は、STS的問題として重要なものです。筆者は水俣病問題について、これまで詳しくフォローしてきたわけではありませんが、とりあえず今回の大阪水俣病訴訟問題に対して、本サイトの訪問者の皆さんの関心を振り向けて頂きたく思い、僭越ながら下記のサイトを紹介させて頂きます。
なお5月25日は、水俣病訴訟で国と熊本県が上告したのと同じ5月11日に、熊本地裁が国(旧厚生省)と国会の責任を認める判決を下した「ハンセン病国賠訴訟」に対する上告期限です。こちらに対しても国は上告する可能性が強まってきました。
環境省「水俣病関西訴訟に関する対応について」(川口順子大臣記者会見より)
さうすウェーブ
水俣病関西訴訟・101万人署名運動がスタート 寄稿:山中由紀 (7/23)
「水俣病事件」関西訴訟特集I
「水俣病事件」関西訴訟特集U「国・県が上告。原告団・関係者一様に『暴挙』と怒る」
「水俣病事件」関西訴訟特集III「上告審では学問上でも国の失態露見しよう。国際的にも取り返しのつかないミス明白に」
「水俣病事件」関西訴訟特集W
熊本日日新聞・水俣病百科
水俣病関西訴訟:上告「遠のいた解決」
(上)無念 募る体への不安 「政治」も働かず
(中)国の論理 司法解決を懸念 上告「当然の帰結」
(下)県の選択「熟慮重ねた結果」/法規解釈に不満
最後の闘い 水俣病関西訴訟控訴審結審
(上)行政の責任: 国、県に頭下げさせたい
(中)除斥期間: 見捨てられた思い根強く
(下)病像論: 一審の主張変えた原告側
水俣病像再考: 学会見解は問う
(上)相対危険度112.4倍 汚染地で感覚障害多発
(中)医学的な議論 影響懸念?発言少なく
(下)認定 補償に直結 迫られる医学的再検討
水俣水銀国際会議(6th Int'l Conference on Mercury as a Global Pllutant: 2001.10.15-19)
ハンセン病国賠訴訟については下記サイトを参照ください。
Last updated: 3 August, 2001