先に紹介したLe Mondeの記事Japon : l’élan humanitaireと同じ記者Philippe Pons氏が、人質・家族に対する日本政府の救出費用負担請求について批判的な記事を書いている(見出しからして、皮肉が込められている)。
Au Japon, les otages devront payer leur libération (日本では、解放されるための費用を人質が支払わねばならない)
LE MONDE | 19.04.04 • MIS A JOUR LE 19.04.04 | 16h04
その最後は、パウエル長官の「誰もリスクを引き受けなかったならば、われわれは前進することができない」という言葉を引用しながら、次のように結ばれている。
Alors qu’ils devraient être fiers d’une jeunesse animée de valeurs humanitaires, dont la candeur et la témérité ne peuvent que rehausser l’image pas toujours flatteuse de leur pays (maintien de la peine de mort, politique restrictive du droit d’asile), les dirigeants politiques et la presse conservatrice du Japon éreintent à plaisir l'”irresponsabilité” des otages libérés. Et c’est du secrétaire d’Etat américain Colin Powell qu’ils ont reçu un mot d’encouragement : “Si personne ne veut prendre de risque, on ne progressera jamais”, a-t-il déclaré à la télévision.
彼らは、その人道主義的価値の情熱あふれる若さを誇りに思うべきであり、その純真さと無鉄砲さは、彼らの国の必ずしも好ましくないイメージ(死刑制度の維持や政治的に制限の多い難民庇護)を向上させるものでしかないのに、日本の政治指導者や保守系新聞は、わけもなく、解放された人質たちを「無責任」だとこき下ろしている。「誰もリスクを引き受けなければ、われわれは前進することができない」という、テレビで語られた励ましの言葉を彼らがもらったのは、コリン・パウエル米国務長官からであった。
ちなみに同様のニュースは、今朝BS1で見たフランス2のニュース番組でも取り上げられていた。「市民のアソシエーション」の国フランスから見る日本のイメージは、いったいどんなものに成り下がっている(もともと低い?)のだろうか?政治家や大手マスコミは、自分たちがどれだけ近代国家としてアブノーマルなことをやっているのか、気がついてないのだろうか?フランスやその他の国の知人に今度会ったら、ぜひとも聞いてみたいものである。(それともアレか?日本政府は人質なんか守ってくれず、身代金を要求しても人質の家族が払うことになるだけだから拉致っても実りはないぞ、というテロリストへのメッセージか、あるいはそんな日本国民の境遇にテロリストの同情を誘うことで誘拐を防ごうという高等戦略か?)
あ、いま見たら、またまた余丁町散人の隠居小屋(橋本尚幸さん)が、しっかり訳をアップしてくださってます。
Le Monde「日本では人質は解放されるための費用を払わねばならない」
ちなみに橋本さんの訳で「叱りつけオヤジ」となってる”Père fouettard(ペール・フエタール)”は「鞭打ちオヤジ」という訳語もあるらしい。これはサンタクロースの元となった聖ニコラスの従者のことで、12月5日の聖ニコラスの日に、聖ニコラスとともに空からやってきて、よい子にはプレゼントを、悪い子はペール・フエタールが鞭で叩いてお仕置きをするのだとか。こういうとなんだかほのぼのだが、日本のペール・フエタールの鞭は、「死者に鞭打ち」のイメージに近いんじゃないだろうか。(実際、もしも人質たちが殺されていたら、どうだったのだろうか?やっぱり同じように、家族に「迷惑をかけたことを謝れ」とか「救出費用を支払え」とか、政治家やマスコミは言ったのだろうか?言わないとしたら、言う/言わないの基準は何だろう?結局は政府の世論対策において、どっちが政権イメージにとって得か、しかないのではないだろうか?)
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