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あの人は今―映画「不都合な真実」

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『不都合な真実 (An Inconvenient Truth)』という米国映画が、来年の新春から公開されるそうです。地球温暖化をテーマにした環境ドキュメンタリーで、米英ではかなりヒットしている話題作とのこと。

『不都合な真実 An Inconvenient Truth』
日本語公式HP オリジナル公式HP
公式ブログ(上映予定など最新情報)
2007年新春より TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー (配給:UIP映画)

映画の内容もさることながら、興味深いのはその「主演男優」。

それは、なんと、2000年の大統領選でブッシュ現大統領に敗れたあのアル・ゴア元副大統領(あの頃と比べて、ちょっとふっくらしてます)。70年代から既に、議員として環境問題に関する政治活動を行ってきた彼は、2000年の選挙に敗れ、大きな打撃を受けた後、心機一転、自らの生の声で温暖化問題の深刻さ、人々のアクションの必要性を訴えるための活動を開始。これまで、米国だけでなくヨーロッパやアジアも含めて1000回以上の講演を行ってきたそうです。ちなみに、かつてゴア氏は、温暖化防止のための気候変動枠組み条約が採択された「地球サミット」の年には、『地球の掟―文明と環境のバランスを求めて』という単著も発表している。

他方、今も性懲りもなくブッシュ大統領を頂いてる米国現政権は、つい先日も「地球温暖化に関する報告書、ブッシュ政権が発表を妨害?」――米海洋大気局(NOAA)が地球の温暖化と大型ハリケーン増加の関係を指摘した報告書の発表を、米ブッシュ政権が妨害したと、英科学誌ネイチャー(電子版)が伝えた――というニュースがあったように、温暖化問題には超消極的ですが、その影で、政治の表舞台から消えたかに見えたゴア氏は、地道にこんなことをしていたわけです。

映画は、そんな彼の講演とそこで使われているアニメーション・スライドを軸に構成されているようです。日本公開用の公式サイトでは、宣伝用のストリーミング・ムービーが観られます。(ゴア氏のインタヴューもあり。)

すでに映画を観たというCafeglobe.com青木陽子さんのブログによると、映画には、90年代初め、環境保護の重要性を訴えるゴア氏に対して、当時の大統領パパ・ブッシュ陣営が浴びせた「環境保護を訴えるなんて、この男は人類の敵だ」といった発言なども登場するそうです。(「盗人猛々しい」とはこのことですな。)

日本では来年公開のこの映画、すでに一部の航空会社の国際線では、機内映画で上映されてるとのこと。実をいえばこの映画の存在を知ったのは、今日読んだ東北大の大隅典子さんのブログ記事でした(ちょうど現在、アトランタに出張中)。自分も来月初めにバンクーバーに出張(=学会参加)するので、そのときに観られるかなぁと期待したけど、残念ながら利用するユナイテッド航空ではないらしい。学会の合間に時間があれば、現地の映画館で観てこようかな?

それにしても、あの2000年の選挙でゴア氏が大統領になっていたら、米国や世界はどうなっていたんだろう?対外経済政策の面では、伝統的に民主党は、日本にとってはタフな相手だという話もあるみたいだけど、たとえば「対テロ戦争」はどうだったろう?9.11があったとして、民主党政権でもおそらく、アル・カイーダ=タリバンのいたアフガニスタンに対する攻撃はあったかもしれないが、それらと何のつながりもなかったイラクには侵攻しなかった可能性が高い。英国の医学誌Lancetは、8日に「03年3月のイラク戦争開戦から今年6月までのイラク人犠牲者の数は、約65万5000人に達する」という米国ジョンズ・ホプキンス大医学部のギルバート・バーンハム教授らの共同研究グループの論文を掲載しているが、仮にその推計が正しくなかったとしても、相当に多くの命が失われずに済んだかもしれない。("Study estimates 655 000 excess Iraqi deaths since start of war": 読むにはユーザー登録が必要。)

ところで、映画タイトルの「不都合」というのは誰にとっての不都合なんでしょう?
「ブッシュ政権」というのはもちろんだけど、本作が意図しているのは、それ以上に、今の文明のあり方にすっかり乗っかって生活している我々すべてなんでしょうね。

<追記1>
上記のCafeglobe.comの青木さん、大学の3つか4つ下の後輩だったりする。ゴア元副大統領も「あの人は今・・?」でしたが、こちらもこんなご活躍をされてるとは。
懐かしいです。

<追記2>
2007年1月20日(公開日)に観た感想です。こちらもどうぞ。(公開日前後から、Googleの検索からこのエントリーに来られてる方も多いようなので。)

「不都合な真実」と「不自然な省略」?

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このページは、hirakawaが2006年10月15日 01:31に書いたブログ記事です。

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