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除去義務を知らなかった検査官―米国牛再禁輸問題

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完全に想定内の事態だけど、これを、システムが動き出して間もなくの単なる「初期不良」とみなしてよいのかどうか。。

米産牛に危険部位 除去必要性知らず 米検査官がミス 農務長官、会見で謝罪
 【ワシントン20日青木忠興】米国産牛肉から牛海綿状脳症(BSE)の病原体がたまりやすい特定危険部位が見つかり、日本が輸入を全面停止した問題で、ジョハンズ米農務長官は二十日の記者会見で、農務省が派遣した検査官らが「危険部位を除去する必要性を認識していなかった」と述べ、検査態勢の不備を認めた。
 この牛肉を加工・輸出した米アトランティック社(ニューヨーク市)のフィリップ・ピアレス社長は同日「輸出基準を誤解した、単純なミスだった」と謝罪の声明を発表した。
……牛肉の加工から輸出に至る経過について、農務長官は「書類を見れば(危険部位の)脊柱(せきちゅう)が混入していると分かる。起きてはならないことだった」と指摘、チェック機能が働かなかったことに不快感を示した。担当した検査官には「適切な措置を取る」と述べ、処分する意向を明らかにした。(西日本新聞) - 1月21日14時39分更新
米国産牛肉、再び輸入禁止…危険部位が混入
……この業者は、禁輸措置前に日本への輸出実績がある。再開後の今月6日に対日輸出向けの加工場として米政府の認定を受けたばかりだ。第1号となった今回の牛肉には、米政府の検査官の証明書もついていた。(読売新聞) - 1月21日3時7分更新

検査官の人、何してたんでしょうね?ただ「見てた」だけ?

テレビのニュースでは、インタヴューした処理施設の作業員が、除去義務について「そんなことは何も上司から聞かされてないよ。あんた(記者)に聞いて初めて知ったよ」とも言ってましたが。

その他、いくつか重要なポイントをメモ。

農林水産省プレスリリース「米国から到着したせき柱を含む子牛肉の確認について」
1. 1月20日、農林水産省動物検疫所成田支所からせき柱を含む米国産子牛肉を発見したとの通報があり、厚生労働省成田空港検疫所において、現物を確認したところ、せき柱を含むことを確認した。
(1) 品名:米国産冷蔵牛肉(41箱、約390kg)
(2) せき柱を含む子牛肉が確認された貨物:3箱(約55kg)
(3) 食肉処理施設:Atlantic Veal & Lamb, inc. (1509A)

ここには書かれてませんが、Atlantic Veal & Lamb, incの社長によれば、問題の牛は生後4ヵ月半のものだったということ。それが本当であれば、今回の牛肉に関しては危険はない。

米産牛に危険部位 除去必要性知らず 米検査官がミス 農務長官、会見で謝罪
・・・ピアレス社長は問題の牛肉は基準内の生後四カ月半の子牛を解体したものだと明らかにした。(西日本新聞) - 1月21日14時39分更新

また米農務省のOfficial Listing of Eligible Suppliers to the EV Program for Japanによると、日本向けの輸出が許可されている施設は全米で38箇所ある(今回のミスを犯したアトランティック社はすでにリスクから外されている)。たかだか40弱しかない処理施設なのに、規制が徹底できないってどういうこと??派遣されてる検査官の人数だって、一施設2人ずつとしても80人弱。まとめてちゃんとレクチャーとかしてないのか?そもそも「輸出許可」したってことは、政府の側で何らかの認証手続きをしたはずだが、今回の事件は、この認証そのものに穴があることを示している。

それと、これら施設のうち、先月の査察で日本側が調べたのは、厚労省・農水省の12月26日付の「米国における日本向け牛肉認定施設の査察結果報告」によれば11件だけ。そんな中途半端な段階で輸入再開しちゃったというのは、日本政府の責任も大きい。

それから日本側の検疫体制について。

<米国産牛肉>再び輸入禁止 危険部位の混入確認(毎日新聞) - 1月21日1時54分更新
・・・違反があった肉は積み戻すか焼却処分する。12月以降にすでに輸入された米国産牛肉1373トンは、「これまでの検査で問題は出ていない」として回収しない方針。
 両省は輸入牛肉を港や空港で検査している。しかし、肉が入った箱を開けて検査するのは輸入量の平均約1割という。【位川一郎】

サンプル抽出は約1割。やはり全部を見ているわけではないんですね。試しに、昨日入荷した分だけでも、全部検査してみたらいいのに。(やってるのかな?)

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参加型ニュースサイト@NEWZ(アット・ニューズ) - 米国産牛肉、再び輸入禁止…危険部位が混入 (2006年1月22日 19:06)

政府は20日、輸入された米国産牛肉に、BSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していたため、12月に再開したばか... 続きを読む

米国のBSEいったん「シロ」 再検査の声退ける [2006年02月08日付日本農業新聞]  1回目の検査ではクロ。手順の異なる2回... 続きを読む

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このブログ記事について

このページは、hirakawaが2006年1月21日 16:39に書いたブログ記事です。

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