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食品安全委員会の報告書は委員が書こう

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熱心な食品安全委員会ウォッチャーのMarikoさん@BSE&食と感染症つぶやきブログが、今日のエントリー「BSE審議の座長代理が辞意表明 食安委に疑問」で、委員会の信頼性の根幹に関わる問題を指摘している。

それから、削ったはずの文言が復活したり、あったはずの重要な語句が削られたり。←※注 末段参照
いや、すごいですよ。まじめに。

で、一つ思ったんだけど、この際、食品安全委員会の報告書は、委員自身が書くことにしたらどうだろう?まぁ、委員の先生はどなたもお忙しいから、自分で書くのは大変だろうけど、役人の「操作」を避け、世間の信頼を高める――というより、どんどん落ちていくのを食い止める――には、それくらい思い切ったことをやらないとダメなんじゃないか?

食品安全委員会ができるきっかけになったBSE問題調査検討委員会の報告書(2002年4月)は、これまでの日本の役所の委員会・審議会の「常識」に反して、委員が自ら書いたものだった。草案から正式版に至る段階で、多少トーンはマイルドになったものの、食肉をめぐる政官業癒着の問題にも踏み込んでいたことが、当時のマスコミで話題になったものだ。あの時の委員(確か代表として4人が下案を書いていた)も皆忙しかったはずだし、今の委員にはできないというわけではないだろう。(もちろんそれなりに大変な仕事だから、できれば大学など所属先での仕事を多少減らしてもらうような協力が必要かもしれない。ついでにいえば、役所の委員会も国会のようにネット中継+動画ライブラリー保存して、BSE問題のように国民の関心の高い重要案件についてはテレビ中継もしたらどうだろう?慣れないうちは委員は議論しづらいかもしれないけど。)

ちなみに、米国の審議会、たとえば環境保護庁(EPA)の科学助言委員会(SAB: Science Advisory Board)では、報告書は委員が書くことになっている。『専門性と経験の拡大: EPA科学助言委員会2001年度スタッフ報告書(Expanding Expertise and Experience: EPA Science Advisory Board FY2001 Annual Staff Report)』[PDF550KB]によれば、SABメンバーの要件として、第一に科学的・技術的な質と信用があること、第二に地理的、人種、ジェンダー、学界、民間などのセクターのバランス、そして第三に、委員会で活発な議論ができること、高度な執筆能力を備えていること、締切りを厳守することが挙げられている。

なお、政策決定における専門的助言の仕組みや質をどう改善するかというのことは、欧米、とくに近年は欧州やカナダでも重要なテーマになっていて、さまざまな報告書が出てる。代表的なのは欧州委員会のDemocratising Expertise and Establishing Scientific reference Systems[PDF172KB]や、Science and Governance:
describing and typifying the scientific advice structure in the policy making process - a multi-national study
があるが、他にも論集として、欧州共同研究所IPTSのジャーナルIPTS Reportでも、以下の号が科学助言の特集を組んでいる。

このテーマは、まさしく今やってるプロジェクトの一部なので、これらの報告書や論文も、そのうちじっくり読み込まねばならないのだけど、いかんせん時間がない。でも、プロジェクトも三年目になるし、夏休みには腰を落ち着けて読まねば。。

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このページは、hirakawaが2005年5月19日 00:15に書いたブログ記事です。

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