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BSE:国際安全基準の緩和案に反対--日本意見書
農林水産省は12日、BSE(牛海綿状脳症)の国際安全基準を話し合う国際獣疫事務局(OIE)の今年度総会(23~29日、パリ)に提出する日本政府としての意見書をまとめた。脳など特定危険部位の除去対象牛を「生後6カ月以上」から「同12カ月以上」に緩和するOIE提案に対し、安全性を確保する科学的根拠がないことを理由に反対し、牛肉輸出国の影響力でOIEが政治的駆け引きの場に変容しつつあると厳しく批判している。
【望月靖祥】
毎日新聞 2004年5月13日 東京朝刊
農水省、国際獣疫事務局のBSE規制改正案に大幅な修正求める
農水省は12日、国際獣疫事務局(OIE)が示していたBSE(牛海綿状脳症)規制の改正案に対する意見書をまとめた。23~28日まで開かれるOIEの総会で説明する。改正案では中リスク国、高リスク国の腸全体を特定危険部位としていたが、適切に分離できた場合は腸の末端である回腸遠位部だけを対象にするように求めるなど、全体として大幅な修正を要求した。
(日本食糧新聞 5月14日号)
BSE安全基準で反論 農水省、国際機関に挑戦
農水省は12日、家畜の疾病監視や衛生基準を作成する国際機関の国際獣疫事務局(OIE、本部パリ)に対し、牛海綿状脳症(BSE)の安全基準を厳しくするよう求める意見書を提出した。23日からパリで開かれる総会で議論されるが、OIEの主導権を欧米諸国が握っているため、日本政府案は退けられる可能性が高い。
 そのため、農水省は「(BSEなどの)安全基準の見直しについては詳細な議事録を公表し関係者の疑問に答える場を設ける」など、OIEの運営面の改革も提案した。

OIE基準は、WTO(世界貿易機関)における貿易紛争解決の際の国際基準として用いられるから、これが日本よりも緩い基準になると、米国など輸出国が日本をWTOに訴えたとなった場合に立場が苦しくなる。また、それだけに、OIEは科学と政治が入り乱れたアリーナとなりやすい。

ポイントとして興味深いのは、特定危険部位の除去対象牛を「生後6カ月以上」から「同12カ月以上」に緩和するOIE案が、どれくらい科学的根拠に基づき、どれくらい政治的・社会的考慮に基づいているか、また翻って日本側の主張もまた、どのような政治経済的配慮が背景にあるのか、だろう。ちなみにリスク管理というのは、元来、科学的な根拠と、公衆衛生保護も含めた政治的・社会的配慮の組み合わせとして成り立つものであり、科学と政治それぞれのもつ正当性が、互いに干渉し合って歪め合わない限りは、政治的成分が入っていること自体は何ら問題ではない。リスク管理は不可避に何らかの価値選択や利害調整を含むし、またBSEのように科学的不確実性が高い場合にはなおさらそうだ。注視すべきは、特定の政治的・経済的利害や、比較的に確実性が高い科学的知見に引きずられるあまり、別の利害や不確実性が軽視されてはいないか、バランスがとれているかどうかである。

この点から見たとき、OIE案と日本案はそれぞれ、どれくらいの科学的・社会的な合理性をもっているのかどうか。とくに農水省側の「本音」の部分も含めてぜひ知りたいものだ。

それから、日本食糧新聞の記事にある「適切に分離できた場合は腸の末端である回腸遠位部だけを対象にするように求める」というのは、OIE案に対して日本案が緩和を求める形になっている。これは、安全第一の観点からすると「ケシカラン!」というふうにも思えるが、たとえば「ホルモン焼き」とか「もつ煮込み」が好きな日本人という観点からみたメリットとの比較の問題としても考える必要があるかもしれない。またそのような緩和要求が、他方の特定危険部位に関する緩和反対要求と比べて、保護水準として整合性があるかどうかも見なければならない。

ちなみに4月26日の共同通信の記事では、この緩和要求が、焼肉業界と消費者団体(日本消費者連盟)の双方からの意見に応えたものであることが分かる。

危険部位拡大に反論相次ぐ BSEの公開討論会
 農水省と厚生労働省、食品安全委員会は二十六日、牛海綿状脳症(BSE)の国際的な安全基準の見直しについて、関係業界や消費者団体との公開討論会を東京都内で開いた。関係業界などからは、特定危険部位の範囲拡大に反論が相次いだ。(中略)
 改定案は、これまで「小腸の一部」としてきた危険部位の定義を、「腸全体」に拡大。業界側は討論会で「焼き肉店では腸を使った料理のニーズが高く、壊滅的な打撃を受ける」(全国焼肉協会)と指摘した。
 消費者団体からも、BSEの原因とされる異常プリオンが、現状では小腸の一部からしか検出されていないことから「科学的な根拠が見当たらない」(日本消費者連盟)と疑問の声が上がった。

まぁ、なにはともあれ、へんなところで妥協しないよう、がんばれ日本政府!

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このページは、hirakawaが2004年5月15日 05:36に書いたブログ記事です。

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