«  国民保護法案ってどうよ?... | トップ | 記事一覧 | イラク捕虜虐待つづき  »

核燃料サイクル見直しへ

| トラックバック(0)

さっき見た毎日新聞の記事。やっとコスト意識など、合理的な議論ができるようになったかと、いよいよ時代は変わってきたなぁと感慨深くもなる(笑)ニュースです。

核燃料サイクル:見直し、全量再処理を転換 原子力委
 国の原子力委員会(近藤駿介委員長)は、国策として進めてきた核燃料サイクル政策の見直し作業を始めた。原子力発電所から出る使用済み核燃料は全量再処理する、としてきたが、原子力政策の基本を定めた原子力開発利用長期計画の改定の中で、再処理せずに地中に埋める直接処分や中間貯蔵の位置づけについて検討する。再処理で得られたプルトニウムを利用する高速増殖炉開発の停滞や、再処理事業にかかる膨大なコストなどにより行き詰まった政策を、柔軟路線に転換する。
(中略)
 一方、電気事業連合会は、再処理工場操業から廃止までの再処理関連の総事業費を試算。1月に18兆8000億円と公表された。このうち8兆円はどこが負担するのかが決まっていない。電力自由化で競争が激化している電力業界では、再処理事業にかかる費用が経営を圧迫するとの懸念が高まっている。
 このため、原子力委員会は巨額な負担を強いる核燃料サイクル政策を進めるには、国民的な合意が必要と判断した。使用済み核燃料を再処理せずに直接、地中に埋める方法の費用を算出し、全量を再処理した場合と比較、検討する。直接処分を選択肢として盛り込むかどうかについては委員の意見が分かれている。再処理実施の是非は先送りして、長期的に保管する中間貯蔵施設建設の案も議論される見通しだ。

毎日新聞 2004年5月5日 3時00分

これについては、すでに4月8日に朝日新聞も次のように伝えている。

経産省の合同会議で核燃料サイクル見直し論相次ぐ
 日本の原子力政策の柱である核燃料サイクル計画について、経済産業省のエネルギー環境合同会議で7日、見直しを求める意見が相次いだ。同会議は、30年までのエネルギー・環境政策を決めるために、総合資源エネルギー調査会と産業構造審議会(いずれも経産相の諮問機関)で構成。6月に中間報告をまとめる。見直し論が経産省の足元にまで及んだことは、今後、波紋を広げそうだ。

ちなみに小生は、とあるシンクタンクが事務局を務める内閣府原子力安全委員会関係の委員会の委員をしてたりする。そこで見聞きする原子力関係者の話からも、原子力の分野は、もんじゅ事故以降、JCO臨界事故や東電不正問題など、いろいろ大変だっただけに、いま一番改革の気運が高まっているように感じられる。具体的な立地予定地など現場では、相変わらずゴリゴリの「国策」のごり押しがまかり通っているとしても、少なくとも国のレヴェルは動き始めている。まぁ、いわゆる原子力ムラのピラミッドの中では、頂点にある国の委員会が一番権力がないのだそうだが、しかし、今回の核燃料サイクル見直し論などは、コスト問題など、ピラミッドの土台を作る電力会社からの突き上げも大きな動員になっているみたいだから、ちょっとやそっとじゃ、過去への舞い戻りはないだろう。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://hideyukihirakawa.com/mt/mt-tb.cgi/38

2017年3月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

Access

Archive

Creative Commons License
このブログはクリエイティブ・コモンズでライセンスされています。
Powered by Movable Type 4.22-ja
OpenID対応しています OpenIDについて

出版情報

 

 

Twitter

About this blog

▼当blogは大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)の平川秀幸の個人用blogです。▼トラックバック&コメントwelcomeです。ただし、記事にあまり関係がないもの、商品広告・宣伝のためのものなどは、当方の判断により削除させていただきますので、ご了解ください。

このブログ記事について

このページは、hirakawaが2004年5月 5日 04:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「国民保護法案ってどうよ?―セキュリティ国家のキモ悪さ」です。

次のブログ記事は「イラク捕虜虐待つづき」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。